妖戦刀義

和山忍

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四十八話 造形

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「あんたの刀だよ。あんたらを抱える前に帯の後ろに差し込んどいた」

「逃がしてくれるのか?」

「まさか!」

「じゃあ、なんなんだ?」

「あんた、あたしが憎いんだろ?それであたしを殺してごらん。殺せるものならね」

 痩せ細った男は自分の刀を鞘から抜いてじっと見る。

「もし、それだけで心許無いんであれば・・・・・・」

 そう言いながら、両方の手のひらからまた蜘蛛の口のようなものを浮かび上がらせ、そこから糸がシュルシュルと出る。その糸で斧と槍を造形した。

「ほれ!」

 痩せ細った男の近くに軽く投げる。

「・・・・・・これは?」

「言わなくてもわかるでしょ?自由に使って」

「・・・・・・」

 痩せ細った男は斧と槍を順番に持ってみる。

「あと、これも使っていいよ」

 結衣は持っていた刀も痩せ細った男の近くに投げた。

「あたしは武器や手も使わない。足も移動する時のみだけで攻撃には使わない。口だけであんたの相手をしてあげるよ」

「・・・・・・わかった。ただ、お前の武器は使わない」

「えっどうして?」

「何か細工がしてあるかもしれないからな・・・・・・」

「くふっ!あははははははは!・・・・・・バレてたか」

 と言いながら、結衣は曲げたひとさし指を親指の腹で弾いて鳴らした。

 


 
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