妖戦刀義

和山忍

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四十七話 好機をあげる

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「あれ?」

 結衣は血だらけになった正雄の胸を触る。

「ありゃ~もう死んじゃった・・・・・・」

「正雄・・・・・・」

 痩せ細った男が無惨な正雄の姿を見て、涙を流す。

「よくも正雄を・・・・・・」

 痩せ細った男が結衣を睨む。

「よくも正雄を・・・・・・ぷふっ」

「何がおかしい⁉」

「いやね・・・・・・あんた、武器を持っていながらあたしが近づいた時、何もしようとしなかったよね?諦めてたよね?」

「!」

「・・・・・・あんたは戦おうとせずに命乞いして、それに失敗しても戦おうともしなかった・・・・・・好機はあったはずなのにね」

「・・・・・・」

「な~んて!仮にあんたが戦おうとしたとしても、返り討ちしてたけどね!あははは!」

 痩せ細った男は結衣を睨んだ。

「あたしが憎い?」

「ああ、憎いよ・・・・・・憎くてたまんねえよ!」

「・・・・・・だったら、好機をあげる」

「⁉」

 結衣は痩せ細った男に近づき、糸による手と足の拘束を解いた。

「なんのつもりだ?」

 そう言いながら、痩せ細った男は身体を起こす。

 結衣は身体の後ろから何かを取り出した。

「ほい」

 それを痩せ細った男の方に軽く投げる。男はそれを受け止める。

「これは・・・・・・」


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