妖戦刀義

四十四話 滝の裏側

　結衣は二人の男を抱えたまま、滝の裏側に入る。

　滝の裏に入ると洞窟のようなものができていた。

　結衣は奥へと入って行く。

　奥まで行くと、抱えていた男二人を下ろす。

　痩せ細った男はうつ伏せに丸顔の太った男は横向きになっていた。

　結衣は痩せ細った男の口にされていた鳥黐のようなものを剥がす。

「ここは一体⁉」

「ここはね、あたしが蜘蛛になっていた時に見つけた場所なの」

「なんでこんな所に俺らを？」

「ここからはどんなに叫んでも、滝の音で外まで届かないの」

「まさか･･････」

「そう、今からたっぷり遊んであげるからいい声聞かせてね」

　結衣は満面の笑顔で言った。

「いやああああああああああああ！」

　痩せ細った男はじたばたもがく。

「あはははは！いい反応」

　そう言うと、結衣は痩せ細った男の後ろにまわり込み、腰に膝を置く。

　そして、結衣は痩せ細った男の指を触る。

「や、やめてく──ぎゃああああああああああああ！」

　結衣は痩せ細った男の指を折った。

「これこれ。やっぱり叫び声がないと物足りないよね」

「本当にやめてくれ！頼む！」

「だーめ」

　そう言いながら、痩せ細った男の違う指を折る。

「ああああああああああああ！」

「あはははははははははは！いいね、いいね。次はどの指にしようか･･････ん？」