妖戦刀義

三十二話 久しぶり

　川次郎が慌てて、夏海の所に向かう。

「どうしたの⁉」

「どうしたの⁉じゃないわよ！七日経っても帰って来ないから心配で来たのよ！」

「･･････ごめん」

「それより･･････」

　夏海は川次郎の後ろを覗く。

「風ちゃん！」

　夏海は風太の所に向かった。

「久しぶ──！」　　

　夏海が喋りかけてる風太に抱きつく。その際に風太の鼻から口にかけて、夏海の胸が密着する。

「無事でよかったわ！」

「･･････むぐ！」

「可哀想に悲惨な目にあった衝撃でまともに話せないのね･･････あれ？でも、さっき川次郎と普通に話してたような？･･････」

「風太は問題なく話せるよ！夏海の胸が風太の口を塞いでまともに話せないんだよ！」

「むぶ！むぐ！」

「あら！ごめんなさい」

　夏海は風太から離れる。

　風太が顔を赤くして、呼吸を整える。

「はぁ、はぁ」

「大丈夫？」

「･･････はい。久しぶりです。夏海さん」

「お久しぶりね。風ちゃん」

「･･････」

　風太が川次郎を見る。