妖戦刀義

和山忍

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二十話 踏鞴鋼

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「二刀流?」

「左右の手に一本ずつ刀を持って戦う剣術だ」

「なるほど」

「けど、二刀流を扱うには、まずはある程度一本の刀を扱えるようになってからだ」

「わかりました」

 康夫は自分が持ってきた風呂敷を開ける。その中には四角い木箱が入っていた。その木箱の蓋を開け、そこから、歪な形をした石を取り出した。

「これは?・・・・・・」

踏鞴鋼だたらはがねだ。俺達、一本踏鞴が製法した刀の元だ」

「へぇー」

「これに妖気を込めてみろ」

「・・・・・・はい」

 康夫は風太に踏鞴鋼を渡す。

「・・・・・・すみません。妖気を込めるって、どうやればいいんですか?」

「そうだな・・・・・・手から妖気をそっと優しく出す感じか」

「・・・・・・わかりました」

 風太は踏鞴鋼にそっと優しく妖気出す。踏鞴鋼が緑色に輝く。

「おお」

「これは?」

 康夫が大きく目を開く。

「これは妖気が込められた証だ。妖気を流す者によって色は違う。当たり前たが、宗太と同じ色だ」

「名主さんと同じ色か・・・・・・」

 確かに名主さんの妖気が流れているから、色が同じなのは当たり前だが・・・・・・なぜか不思議とうれしく感じる。

 踏鞴鋼の輝きを見て、

「綺麗だね」

「ああ」

 川次郎と空雄が口を開いた。

「もう少し見ていたいかもしれないが、もらうぞ」

「ああ、はい!」

 康夫は踏鞴鋼を風太から取る。

 そして、康夫は箱から札をとった。

 

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