妖戦刀義

和山忍

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十九話 二刀流

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「えっ?文字ですか?」

「そうだ」

「・・・・・・わかりました」

 風太は右手の人差し指で地面に文字を書く。

「ほお、漢字書けるのか」

 地面に書かれたのは『風太』という文字だった。

「・・・・・・名主さんに教わりました」

「そうか・・・・・・じゃあ、次は左手で書いてくれ」

「はい」

 風太は左手の人差し指で『風太』と地面に書いた。

 左手で書いた文字を見て、

「ほお」

 康夫が目を大きく見開く。空雄が声を掛ける。

「どうだ?」

「そうだな・・・・・・風太、腕を見せてみろ」

「ああ、はい」

 康夫は風太の手をジロジロ見渡す。

「・・・・・・」

 康夫は風太の腕をあちこち触り始める。

「悪くはねえ、ただ・・・・・・」

「ただ?」

「風太次第だな」

「そうか」

 康夫と空雄の話を聞き、風太は何の話をしてるのか気になり、

「オイラ次第ってどういうことですか?」 

 康夫が真剣な顔をして答える。

「風太。俺は空雄に頼まれて刀を作りに来た」

「刀をですか?けど、オイラにはもう名主さんの刀が・・・・・・」

「・・・・・・それとは別にもう一本、刀を作るんだ」

「もう一本?」

「ああ、そうだ。まだ、定かでねえが、お前には二刀流の才があるかもしれねえ」
    
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