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十二話 宗太の妖気
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「名主さんの妖気?」
「そうだ。宗太は生前、もし自分が殺された時に発動するようにその刀に術式を仕込んでいたんだ」
「術式?」
「ああ、発動すると、最初に触れた人間の中に妖気が流れる」
「ちょっと待って下さい!なんで今になって妖気を感じたんですか?名主さんの刀に触れて恐らく一刻は経つのに・・・・・・」
「宗太が死んで、刀を手にした時はまだ妖気が少なかったからわからなかったんだろ」
「えーと、刀の妖気がオイラの中に流れて集まるのに時間がかかったってことですか?いや、でも、玉穂がいなくなった後、手から刀を離していたし・・・・・・」
「刀の妖気は風太の身体の中に流れるが、それは少しで、その妖気を元に、身体の中で作られるんだ」
「じゃあ、作られるのに時間がかかったってことですか?」
「そうだ」
「でも、なんで宗太さんはそのような術式を?」
「昔、宗太は俺の故郷である天狗山で剣術の修行をしていたんだ。その時になぜかはわからないが、蔵之介様に勧められたらしいんだ」
「そうなんですか・・・・・・でも、手にしたのが、悪人だったらやばかったんじゃないですか?」
「その心配はない。二つの条件を満たさないと流れないようになっていたからな」
「二つの条件?」
「ああ、一つ目は宗太の知り合いであること。二つ目は宗太が妖力を手にしても私利私欲の為に使わないと思った人」
「なるほど・・・・・・けど、それでも絶対では──ん?」
風太は川次郎が涙を流していたのに気がつく。
「どうしたんですか⁉川次郎さん?」
「ごめん。さっきからこらえていたんだけどさ・・・・・・もう限界でさ」
「なんでそんな・・・・・・?」
「オラまで、泣いたら余計不安になるだろ?」
「そんなことは・・・・・・」
その時、名主さんも涙を流していなかったことを思い出す。
「・・・・・・名主さんも涙をこらえてたのかな?」
それを聞いた。空雄が口を開く。
「かもな」
空雄は下を向き、考え込む。
「・・・・・・今さらだが、すまなかった」
「ごめん・・・・・・」
胡座をした状態で頭を下げる空雄と川次郎。
「急にどうしたんですか!?頭を上げて下さい!」
「理由はどうあれ、俺達がもっと早く来てれば、被害を抑えられたかもしれない」
「まさか、こんなことになってるとは思わなくて・・・・・・」
「だからって、川次郎さんや空雄さんが悪いわけじゃないんですから、謝らないで下さい・・・・・・そういえば、二人はなぜ、ここに来たんですか?」
「ああ、俺は川次郎の村に来ていてな・・・・・・」
「オラが頼んだんだ。陽子さんの余命が近かったから気になって」
「・・・・・・それはありがとうございます」
「しかし、話は変わるが、これからのことも考えないとな」
「・・・・・・だね」
川次郎が外を見に行く。
「雨は止んだみたいだね」
それを聞き、風太が立ち上がる。
「どうした?」
「埋葬をしてきます」
「・・・・・・オラ、手伝うよ」
「俺も」
「・・・・・・ありがとうございます」
「そうだ。宗太は生前、もし自分が殺された時に発動するようにその刀に術式を仕込んでいたんだ」
「術式?」
「ああ、発動すると、最初に触れた人間の中に妖気が流れる」
「ちょっと待って下さい!なんで今になって妖気を感じたんですか?名主さんの刀に触れて恐らく一刻は経つのに・・・・・・」
「宗太が死んで、刀を手にした時はまだ妖気が少なかったからわからなかったんだろ」
「えーと、刀の妖気がオイラの中に流れて集まるのに時間がかかったってことですか?いや、でも、玉穂がいなくなった後、手から刀を離していたし・・・・・・」
「刀の妖気は風太の身体の中に流れるが、それは少しで、その妖気を元に、身体の中で作られるんだ」
「じゃあ、作られるのに時間がかかったってことですか?」
「そうだ」
「でも、なんで宗太さんはそのような術式を?」
「昔、宗太は俺の故郷である天狗山で剣術の修行をしていたんだ。その時になぜかはわからないが、蔵之介様に勧められたらしいんだ」
「そうなんですか・・・・・・でも、手にしたのが、悪人だったらやばかったんじゃないですか?」
「その心配はない。二つの条件を満たさないと流れないようになっていたからな」
「二つの条件?」
「ああ、一つ目は宗太の知り合いであること。二つ目は宗太が妖力を手にしても私利私欲の為に使わないと思った人」
「なるほど・・・・・・けど、それでも絶対では──ん?」
風太は川次郎が涙を流していたのに気がつく。
「どうしたんですか⁉川次郎さん?」
「ごめん。さっきからこらえていたんだけどさ・・・・・・もう限界でさ」
「なんでそんな・・・・・・?」
「オラまで、泣いたら余計不安になるだろ?」
「そんなことは・・・・・・」
その時、名主さんも涙を流していなかったことを思い出す。
「・・・・・・名主さんも涙をこらえてたのかな?」
それを聞いた。空雄が口を開く。
「かもな」
空雄は下を向き、考え込む。
「・・・・・・今さらだが、すまなかった」
「ごめん・・・・・・」
胡座をした状態で頭を下げる空雄と川次郎。
「急にどうしたんですか!?頭を上げて下さい!」
「理由はどうあれ、俺達がもっと早く来てれば、被害を抑えられたかもしれない」
「まさか、こんなことになってるとは思わなくて・・・・・・」
「だからって、川次郎さんや空雄さんが悪いわけじゃないんですから、謝らないで下さい・・・・・・そういえば、二人はなぜ、ここに来たんですか?」
「ああ、俺は川次郎の村に来ていてな・・・・・・」
「オラが頼んだんだ。陽子さんの余命が近かったから気になって」
「・・・・・・それはありがとうございます」
「しかし、話は変わるが、これからのことも考えないとな」
「・・・・・・だね」
川次郎が外を見に行く。
「雨は止んだみたいだね」
それを聞き、風太が立ち上がる。
「どうした?」
「埋葬をしてきます」
「・・・・・・オラ、手伝うよ」
「俺も」
「・・・・・・ありがとうございます」
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