世界童話を改変してみたシリーズ

シンデレラ改変その二

　その数年後、エラは十八歳になっていた。

　エラは身長も伸び、金髪のセミロングヘアに青い瞳をした目は変わることはなかったが、身体は少しやせ細っていた。

　服装は白と茶の長袖ワンピースであちこちツギハギがされていた。

　そんなエラは屋敷の床掃除をしていた。

「シンデレラ！」

　緑色の髪をした女性がミルクの入ったコップを持ってエラをシンデレラと呼ぶ。

「はい！なんでしょうか？アスア姉様」

「ここ掃除をしたの？」

「はい。先ほどやりました」

「そう･･････」

　すると、アスアは持っていたコップをひっくり返す。中に入っていたミルクが床に広がる

「お掃除、お願い」

　アスアはにこやかな顔をしてエラに言う

　エラは眉をひそめ、

「･･････はい、わかりました」

　返事をする。

「何か言いたそうね？」

「いえ、そんなことは･･････」

「だったら、そんな不服そうな顔をするんじゃないわよ！邪魔よ！」

「きゃっ！」

　エラを手で突き飛ばして、去って行く。

「･･････」

　先ほどの掃除が終わり、外の掃き掃除をやっていると、上から突然エラに水がかかる

「きゃっ！」

「あら、いたの？」

　青色の髪をした女性が窓から顔を出し、にたにた笑う。

「あなたがいつまで経っても、花瓶の水交換に来ないものだから、思わず･･････ぷふふ」

「ドゼ姉様･･････花瓶の水でしたら、もう交換終わってます」

「あら、そうだったの？じゃあ、ここに置いとくから花瓶の水もう一度入れて来て」

　エラは持っていた箒を強く握り、

「･･････わかりました」

　と返事をする。

　エラは掃き掃除を終え、井戸から先ほどの花瓶に水を入れる。

　すると、ドアから義理の母が現れ、

「シンデレラ！何ぐずぐずしてるんだい⁉はやく食事の支度をしなさい！」

　エラを怒鳴りつける。

「ごめんなさい！お義母様！」

「もう何年やってんのよ！この鈍間のろま！」

　そう言って、義理の母は家の中へと入る。

　シンデレラの手が震える。

　なんで、私ばかりにこんな目に･･････とシンデレラが思っていると、屋敷の前に馬車が止まる。

「？」