浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第百九話 元父その十一

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「・・・・・・一つはこの間の彼氏が女性と一緒にいた件だけど」

「やっぱり、浮気してたのか?」

「違う!あれは女装した弟だった」

「は?女装⁉なんでそんなことを?」

 幸は、なぜ清が女装してたのかや登がアパートに女装した清と一緒にいたのかなどを話した。

「酒は怖いなぁ・・・・・・けど、彼氏は最初から正直にそのことを話したのか?」

「弟に口止めされてて、きちんと教えてくれなかった。それで一時は彼氏との仲が危うくなったけど、どうにか別れないで済んだ」

「・・・・・・そうか」

「それで・・・・・・」

「ん?」

「・・・・・・ごめん」

「えっ?」

「あの時、理由はどうあれあたしは反発して、怒って聴き入れなかった」

「・・・・・・」

「それから、これは聞きたいことなんだけど、なんであたしに会いに来たの?」

「それは言ったろ?娘に会うのに理由が必要かって」

「それは理由になってない!あたしにあんなこと言った人がどうして来たのか、不思議でしょうがないの!」

「・・・・・・そんなに気になるか?」

「・・・・・・うん」

「そうか・・・・・・わかった」

 雅彦はうつ向き、真剣な顔をする。

 幸もそれに釣られてか真剣な顔をする

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 雅彦が幸の顔をじっと見る。
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