浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第百二話 元父その四

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「探偵を?」

「はい。捜してほしい人がいて・・・・・・」

「・・・・・・わかったわ。ちょっと待ってて」

 ハンドバッグから名刺入れを取り出す。

 早苗は名刺入れから名刺を取りだし、幸に渡した。

「ありがとうございます・・・・・・え!」

「驚いた?」

「はい・・・・・・早苗さん、探偵だったんですか?しかも社長⁉」

「そうよ」

「じゃあ、前に駿河さんを追いかけた男の人は部下ですか?」

「うん。あの時、部下と一緒に駿河の浮気調査をしてたの」

「ちょっと待って下さい!じゃあ、駿河さんは早苗さんが探偵と知っていながらあたしと浮気してたんですか⁉」

「そうなのよ!信じられないでしょ⁉」

「はい・・・・・・でも、なんで依頼した人のふりを?」

「・・・・・・あれを最後に探偵を辞めて、部下の一人に私の跡を継がせるつもりだったの」

「え⁉どうしてですか⁉」

「だって探偵が夫に浮気されたのよ。これは探偵失格だって思って辞めるつもりだったの。でも、部下に引き止められてね・・・・・・」

「そうだったんですか・・・・・・」

「だから、あの時は探偵に依頼した人のふりしてたの・・・・・・ごめんね」

「いえ」

「でも、辞めなくてよかったわ。こうして、幸ちゃんの役に立てるんだから・・・・・・で、捜して欲しい人って?」

「はい・・・・・・あたしの元父親、山田雅彦です」

「元父親ね・・・・・・写真はある?」

「すみません。十五年前のしかなくて・・・・・・」

 幸はハンドバッグから写真を取り出し、早苗に渡す。





 
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