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第百話 元父その二
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「元お父さんが幸を尾行してるかもしれない?」
「うん」
「なんで、元お父さんがそんなことを?」
「その・・・・・・」
幸は登に約二週間前、雅彦に遭遇し、食事をする代わりにもう二度と自分と母の前に姿を表さないと約束したことを話す。
「そんなことがあったのか・・・・・・」
「うん」
「でも、考えすぎじゃないか?」
「それがね。そうとも言えなくて・・・・・・」
幸は前に友達との飲み会や登と手を繋いで歩いてた時に後を付けられていたことを話す。
「・・・・・・全く気がつかなかった」
「それを聞いた時はあたしも驚いたよ」
「探偵か何かやってたの?」
「ううん。家を出てく前は湖町グループっていう会社の副社長やってた」
「湖町グループ⁉なかなかの大手じゃないか!」
「うん。うちのお母さんもそう言ってた」
「とても優秀な人だったんだね」
「・・・・・・優秀だったかはわかないけど、何をやらせても器用にこなす人だったってお母さんが言ってた」
幸はふと、昔に雅彦とかくれんぼをしたことを思い出す。
「・・・・・・そっか。元お父さんは器用な人だったのか」
「うん。しかも隠れるのが上手かったから厄介なんだよ」
「でも、さすがにそうやって警戒するのも疲れるんじゃないか?」
「そうなんだけど、もし本当に尾行されてたら覗き見されてるようで嫌だし・・・」
「でも、それなら逆に元お父さんに自分は今幸せだってみせつけるチャンスでもあるんじゃない?」
「あ!なるほど・・・・・・ん?」
「どうした?」
「雅彦は登さんが浮気してるかもしれないと思っていて、それでも付き合ってるあたしを見て・・・・・・」
物陰で口を押さえて笑う雅彦の姿が幸の頭に浮かんだ。
「やっぱり嫌!そう思われてるのも嫌だし、直接会って登さんは浮気なんかしてないって言ってやりたい・・・・・・」
幸が頭を抱える。
「うん」
「なんで、元お父さんがそんなことを?」
「その・・・・・・」
幸は登に約二週間前、雅彦に遭遇し、食事をする代わりにもう二度と自分と母の前に姿を表さないと約束したことを話す。
「そんなことがあったのか・・・・・・」
「うん」
「でも、考えすぎじゃないか?」
「それがね。そうとも言えなくて・・・・・・」
幸は前に友達との飲み会や登と手を繋いで歩いてた時に後を付けられていたことを話す。
「・・・・・・全く気がつかなかった」
「それを聞いた時はあたしも驚いたよ」
「探偵か何かやってたの?」
「ううん。家を出てく前は湖町グループっていう会社の副社長やってた」
「湖町グループ⁉なかなかの大手じゃないか!」
「うん。うちのお母さんもそう言ってた」
「とても優秀な人だったんだね」
「・・・・・・優秀だったかはわかないけど、何をやらせても器用にこなす人だったってお母さんが言ってた」
幸はふと、昔に雅彦とかくれんぼをしたことを思い出す。
「・・・・・・そっか。元お父さんは器用な人だったのか」
「うん。しかも隠れるのが上手かったから厄介なんだよ」
「でも、さすがにそうやって警戒するのも疲れるんじゃないか?」
「そうなんだけど、もし本当に尾行されてたら覗き見されてるようで嫌だし・・・」
「でも、それなら逆に元お父さんに自分は今幸せだってみせつけるチャンスでもあるんじゃない?」
「あ!なるほど・・・・・・ん?」
「どうした?」
「雅彦は登さんが浮気してるかもしれないと思っていて、それでも付き合ってるあたしを見て・・・・・・」
物陰で口を押さえて笑う雅彦の姿が幸の頭に浮かんだ。
「やっぱり嫌!そう思われてるのも嫌だし、直接会って登さんは浮気なんかしてないって言ってやりたい・・・・・・」
幸が頭を抱える。
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