浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第九十三話 幸せからの・・・・・・その十九

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 中に入ると、人の気配がなかった。

 幸達はあちこち捜しまわるが、登さんの姿はなかった。

「やっぱり、留守か・・・・・・」

 由梨が何かを見つける。

「幸さん。これ・・・・・・」

 由梨が手に取ったのは、置き手紙のようだった。そこにはこう書かれていた。

『幸へ
 
 多分、ここに来ないかもしれないけど、一応ここに来た時の為に書いときます。
 俺は一人旅に出ます。とは言っても二、三日で戻りますので、安心して下さい。帰ったら、この間の話とお詫びをさせて下さい。
 
 七月十一日月曜日
           登より』

「あれ?今日って・・・・・・」

「十六日・・・・・・!」

「もう二、三日過ぎてる・・・・・・まさか、登さんの身に何か──」

 幸の顔が青ざめる。

「大丈夫ですよ!きっと、幸さんのことであれこれ悩んで考え込んで──」

 幸の顔が余計に青ざめる。

「──じゃない!ごめんなさい!何言ってるの私!・・・・・・」

 
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