浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第九十二話 幸せからの・・・・・・その十八

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「・・・・・・繋がらない」

「兄貴に電話したの?」

「はい。でも、電源が入ってないか、電波の届かない所だって・・・・・・」

「・・・・・・もしかして、兄貴とケンカを・・・・・・」

「・・・・・・いえ、ケンカではないのですが、あの後そんな事情と知らず、あたしが怒って帰っちゃったんです。だから、謝りたくて電話したんですけど・・・・・・」

「ごめんなさい!俺のせいで・・・・・・」

「いえ、あたしも悪かったんです」

「そんなことない!それより、こっちに来て!車出すから!」

「ありがとうございます」

 三人は車に乗り込む。外から舞が幸に話し掛ける。

「幸ちゃん。ごめんね。今から予定なければ一緒に行ってあげたかったんだけど・・・・・・」

「いえ、舞さんのおかげでいろいろわかったので助かりました。ありがとうございます」

「それならよかった。気をつけてね」

「はい」

 幸は車の窓を閉め、車が動き出した。

 舞はそれを見送る。

 しばらくして──。

「よし、着いた!俺は近くのパーキングに車停めるから、先に行ってて」

「わかりました!」

 清を除いた二人が車から降りて、登の居室の前に行く。

 幸がドアを叩く。

「登さん!」

 しかし、うんともすんとも反応がなかった。

 幸はドアノブを回すがやはり、開かない。

「・・・・・・」

「ねえ、幸さん合鍵は持ってないの?」

「あ!」

 幸は急いで合鍵を出して、ドアを開ける。

 

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