92 / 113
第九十一話 幸せからの・・・・・・その十七
しおりを挟む
「ちょっと待って、幸ちゃん」
「はい?」
舞は幸に耳打ちをする。その後に幸も耳打ちをする。そして、舞が由梨に話し掛ける。
「由梨さんは金曜日の夜、このアパートには来ていた?」
「いえ、私はここには来ていません」
「わかりました」
舞は清を見る。
「じゃあ、清さんは金曜日の夜、自分の住むアパートに女性を入れたりはしましたか?」
「入れてないですよ!」
「じゃあ、登さんが女性を入れたことはありますか?」
「あるわけないでしょ?兄貴がそんなことするもんか!なんでそんなことを──」
「なら、よかったです。すみません。幸ちゃん、話していいよ」
「はい・・・・・・金曜日の夜、登さんと女性の格好した人が清さんの住むアパートに入るのを見たんです」
「!」
「それで、次の日に登さんにその女の人のことを聞いたんです。そしたら、それは女装した男だって言われたんです」
「・・・・・・」
「それを聞いた時、あたし信じられなくて、どこの誰なのと聞いたんです。けど、口止めされてるから言えないと言われたんです。それでもしかして、清さん──」
「ごめんなさい!俺です!」
「そうですか。やっぱり・・・・・・」
「酒に酔った勢いで、テレビ番組でやっていたのをマネをして、女装をしたんです」
すると脇から、由梨が深刻そうな顔をして、
「ごめんなさい!私が清のメイクをしたんです」
「・・・・・・もう少し詳しく話してもらえますか?」
幸は清から詳しい経緯を聞いた。
「じゃあ、道夫さんもそのことを知っていたんですか?」
「うん。道夫さんにも口止めしてたから。もちろん、由梨にもだけど・・・・・・兄貴には何度もしつこいくらい言ったから、それで・・・・・・」
「そうだったんですか・・・・・・でも、よかった」
「えっ?」
「登さんが浮気してなくて・・・・・・」
幸は穏やかな顔をする。
「って、そんなゆっくりしてる場合じゃない」
幸はスマホを取りだし、電話を掛ける。しかし・・・・・・。
「はい?」
舞は幸に耳打ちをする。その後に幸も耳打ちをする。そして、舞が由梨に話し掛ける。
「由梨さんは金曜日の夜、このアパートには来ていた?」
「いえ、私はここには来ていません」
「わかりました」
舞は清を見る。
「じゃあ、清さんは金曜日の夜、自分の住むアパートに女性を入れたりはしましたか?」
「入れてないですよ!」
「じゃあ、登さんが女性を入れたことはありますか?」
「あるわけないでしょ?兄貴がそんなことするもんか!なんでそんなことを──」
「なら、よかったです。すみません。幸ちゃん、話していいよ」
「はい・・・・・・金曜日の夜、登さんと女性の格好した人が清さんの住むアパートに入るのを見たんです」
「!」
「それで、次の日に登さんにその女の人のことを聞いたんです。そしたら、それは女装した男だって言われたんです」
「・・・・・・」
「それを聞いた時、あたし信じられなくて、どこの誰なのと聞いたんです。けど、口止めされてるから言えないと言われたんです。それでもしかして、清さん──」
「ごめんなさい!俺です!」
「そうですか。やっぱり・・・・・・」
「酒に酔った勢いで、テレビ番組でやっていたのをマネをして、女装をしたんです」
すると脇から、由梨が深刻そうな顔をして、
「ごめんなさい!私が清のメイクをしたんです」
「・・・・・・もう少し詳しく話してもらえますか?」
幸は清から詳しい経緯を聞いた。
「じゃあ、道夫さんもそのことを知っていたんですか?」
「うん。道夫さんにも口止めしてたから。もちろん、由梨にもだけど・・・・・・兄貴には何度もしつこいくらい言ったから、それで・・・・・・」
「そうだったんですか・・・・・・でも、よかった」
「えっ?」
「登さんが浮気してなくて・・・・・・」
幸は穏やかな顔をする。
「って、そんなゆっくりしてる場合じゃない」
幸はスマホを取りだし、電話を掛ける。しかし・・・・・・。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる