浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第九十一話 幸せからの・・・・・・その十七

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「ちょっと待って、幸ちゃん」

「はい?」 

 舞は幸に耳打ちをする。その後に幸も耳打ちをする。そして、舞が由梨に話し掛ける。

「由梨さんは金曜日の夜、このアパートには来ていた?」

「いえ、私はここには来ていません」

「わかりました」

 舞は清を見る。

「じゃあ、清さんは金曜日の夜、自分の住むアパートに女性を入れたりはしましたか?」

「入れてないですよ!」

「じゃあ、登さんが女性を入れたことはありますか?」

「あるわけないでしょ?兄貴がそんなことするもんか!なんでそんなことを──」

「なら、よかったです。すみません。幸ちゃん、話していいよ」

「はい・・・・・・金曜日の夜、登さんと女性の格好した人が清さんの住むアパートに入るのを見たんです」

「!」

「それで、次の日に登さんにその女の人のことを聞いたんです。そしたら、それは女装した男だって言われたんです」

「・・・・・・」

「それを聞いた時、あたし信じられなくて、どこの誰なのと聞いたんです。けど、口止めされてるから言えないと言われたんです。それでもしかして、清さん──」

「ごめんなさい!俺です!」

「そうですか。やっぱり・・・・・・」

「酒に酔った勢いで、テレビ番組でやっていたのをマネをして、女装をしたんです」

 すると脇から、由梨が深刻そうな顔をして、

「ごめんなさい!私が清のメイクをしたんです」

「・・・・・・もう少し詳しく話してもらえますか?」

 幸は清から詳しい経緯を聞いた。

「じゃあ、道夫さんもそのことを知っていたんですか?」

「うん。道夫さんにも口止めしてたから。もちろん、由梨にもだけど・・・・・・兄貴には何度もしつこいくらい言ったから、それで・・・・・・」

「そうだったんですか・・・・・・でも、よかった」  

「えっ?」

「登さんが浮気してなくて・・・・・・」

 幸は穏やかな顔をする。

「って、そんなゆっくりしてる場合じゃない」

 幸はスマホを取りだし、電話を掛ける。しかし・・・・・・。




 





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