浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第九十話 幸せからの・・・・・・その十六

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 次の日──。

「ここがそのアパートです」

「ここね」

 幸と舞は金曜日に登が女性と入ったアパートの前に来ていた。

「まずはどうすればいいですか?」

「そうね・・・・・・」

 舞が考えてると、

「あのー」

「はい?」

 後ろから声を掛けられ、幸が返事をした。

「ここに何か・・・・・・って幸さん?」

「あれ!由梨さん?」

「どうしたの?」

「由梨さんこそ・・・・・・って、もしかして由梨さん、ここに住んでるんですか?」

「ううん。私じゃなくて清が住んでるの」

「えっ?清さんが?」

「うん。あそこの二〇一号室の・・・・・・」

 由梨が指をさす。

「あそこって・・・・・・」

 金曜日に登さんが女性と入った部屋だ。

「所でそちらの方は?」

「ごめんなさい。あたしは鈴木舞。幸ちゃんの職場の先輩です」

「そうだったんですか。私は美容師の篠原由梨です。幸さんのかかりつけ美容師やってます」

「ちなみにその清さんとはどんな関係で?」

「彼氏彼女の関係です」

「そうですか・・・・・・ちなみにこんなこと聞くのもなんですが・・・・・・清さんって女装趣味がおありで?」

 由梨は、一瞬目を見開く。

「いえいえ、そういう趣味はありません!」

「・・・・・・そうですか。じゃあ、最近──」

 舞が質問しようとすると、

「どうかしたか?由梨?」

 清が舞の後ろから声を掛けてきた。

「清!」

「あれ?幸ちゃんに・・・・・・もう一人はだれ?」

「こちらは幸さんの職場の先輩の鈴木舞さん」

「幸ちゃんと鈴木さんは何の用でここに?」

 幸と舞は顔を合わせて、幸が口を開く。

「実はですね・・・・・・」



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