浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第八十六話 幸せからの・・・・・・その十二

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 大乱戦スカッとキャラクターズは操作するキャラクターを選んで対戦するゲームで最高四人で遊ぶことができる。

 ゲームが始まると、幸は先程のように登の腕にしがみつくことはなかった。

「ちなみに幸はこれをやったことあるの?」

「うん。千冬ちゃんとやったことがある」

「へぇ~」

「あとは前のいや、前の前の・・・・・・高校の時に出てたのを友達とやったぐらいかな」

「そうなんだ」

 このシリーズけっこう長いからな・・・・・・。

 ゲームの対戦が始まると、なかなかの接戦だが、登が勝ち続けた。

 その度に幸は悔しそうな顔をしたりするのだが、それもなんだか違和感があった。

「・・・・・・幸」

「なに?」

「楽しいか?」

「うん。楽しいよ」

「・・・・・・そっか」

 やっぱり、何か変だ・・・・・・。

「幸」

「何?」

「何かあったか?」

「え?」

「今日の幸、いつもと違うような気がして・・・・・・」

「別に何もないよ」

 幸が苦笑いで答える。

「本当にないのか?」

「・・・・・・本当にないって!なんでそんなにしつこく聞くの!」

「だって、幸の顔に出てるんだよ!何かあったって」

「!」

 登が幸の肩を掴む。

「俺でよければ、話してくれよ!」

「・・・・・・」

 幸は深刻そうな顔をして下にうつ向く。

「・・・・・・話したくない」

「え?」

「話したくない!話したら、登さんとの関係が終わっちゃう!」

「終わっちゃうって、まさか・・・・・・何か犯罪かトラブルに巻き込まれてるのか⁉」

「違う!」

 幸が顔を上げる。

「じゃあ、なんなんだ?」

「それは・・・・・・」

 幸はまた下にうつ向いてしまう。

「・・・・・・」
 
 幸は静かに目を閉じた。そして、目を開け、登を目を見て、

「・・・・・・昨日、登さんが女の人と一緒にいるのを見かけた」

 幸は真剣な顔をして話した。
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