浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第八十話 幸せからの・・・・・・その六

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 幸と雅彦が登と女性らしき人物を見かける約一時間前──登の住むアパート。

 登は自分の部屋を見渡す。

 片付けよし!これで幸がいつ来ても大丈夫だ!と思いながら、座り込んでから仰向けになる。

 スマホを取りだし、幸の写ってる画像を見て微笑む。

 可愛いなぁ・・・・・・待ち遠しい。明日じゃなく、今日にすればよかった・・・・・・いや、駄目か。

 今にして思えば、最初は親切な女性としか思っていなかったのが、徐々に惹かれて・・・・・・今じゃあ彼氏彼女の関係。

 正直、こうも早く彼氏彼女の関係になれるとは思えなかった・・・・・・いや、なれるかどうかもわからなかった。

 俺の中では、すぐに告白してふられるのが怖くて、あと数ヶ月経ってから告白しようと考えていたし・・・・・・。

「・・・・・・」

 上手く行き過ぎてるような気がして、正直怖い。しかも、幸の方から告白されるなんて思ってもみなかったし・・・・・・。

 ・・・・・・悪いこと起きたりしないよね?

「・・・・・・」

 登は再び幸の写ってる画像を見る。

 その中には、幸があんこうラーメンを食べている所や癒やし南国で撮ったのもあった。

 どれもこれも楽しそうで笑顔が絶えなかった。

 幸は素敵だし、癒やされるなぁ・・・・・・。

 登は微笑む。

 登は癒やし南国での水着を着た自分と幸が写ってる画像を見る。

 幸は胸の大きさ気にしてたけど、俺はこれくらいがちょうどいいな。

「・・・・・・」

 登は上体を起こす。そして、テーブルの上にあったティッシュ箱が目に入った。

「・・・・・・」

 登は立ち上がり、入口のドアへと向かった。そして、鍵をかけようとした瞬間──ドアをノックする音が聞こえる。

「!」

 登は驚いて思わず、ビクッとなる。

 誰だ⁉

「兄貴!入っていいか?」

 なんだ・・・・・・清か。

 登がドアを開ける。

「どうした?──!」



 

 
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