浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

第六十六話 癒やし南国その一

　一週間後──

　幸と登は癒やし南国の駐車場にいた。

　そこから見える癒やし南国の建物を見て、

「十何年前に来た時と比べると、やっぱり所々変わってるなぁ」

「そうだね！」

　登は少し落ち着いた感じだったが、幸は少しうずうずしてるような感じだった。

「中に行こうか」　

「うん」

　二人は癒やし南国の中へと向かった。

　それから数十分後──

　幸は髪を後ろに丸く纏め、紺色のハイネックビキニを着て、屋上の温泉へと向かった。

　温泉入口付近で待ってた青と薄青迷彩柄の水着の登を見つける。

「登さん！」

　登が幸の声に気が付き、振り向く。

「幸さん」

「待った？」

「いや、今さっき来たところ･･････」

　登が幸の水着を見る。

「その水着似合ってるね」

「うん、ありがとう。登さんも似合ってるよ」

　笑顔で幸が言う。

「･･････ありがとう」

　登が少し照れる。そして、登が幸の頭を見る。

「そういえば、髪を後ろに丸くまとめてるんだね」

「湯と一緒に浸からないようにって思って･･････」

「そっか、偉いね」

「いや、そんな褒められるほどじゃないよ」

　幸は頬を赤くする。

「じゃあ行こうか」

「うん」　　

　二人は屋上の温泉へと立ち入る。

「わあ～色々とある──どれから入ろうかな？」

　幸があちこち見渡す。

「まず、無難にあそこに入ろうか」

　登が指をさしたのは湯が白く濁った大きめの温泉だった。

「そうだね」

　二人はその温泉へと向かう。

　入る前にかけ湯をし、ゆっくり入っていく。

「はあ～気持ちいい」

「そうだね」　

　登が幸を見る。

「どうしたの？」