浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第三十二話 一人じゃ行きにくい所その八

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「えっ!」

 健太が聞くと、幸は少し戸惑い、それを見て、登が思わず、

「お前、そんなことを聞くもんじゃないよ!」

 健太に言う。

「その、彼氏はいません・・・・・・昨日、別れたので・・・・・・あっ!」

「え!・・・・・・ごめんなさい!そうと知らず、僕・・・・・・」

 健太が気不味く、謝る。

「もう・・・・・・だから、そういうことは・・・・・・」

「いいの、いいの!気にしないで!こっちこそ、ごめんね!余計なこと言って健太君・・・・・・でも、大丈夫!今までの付き合ってた彼氏は浮気が原因で別れていたし、今回は相手が既婚者だったけど・・・・・・って、ごめん!子供にこんな話して!」

 幸の顔が悲しげだった。

「・・・・・・」

「でも、本当に大丈夫だから!今まで、似たような別れ方だったから慣れちゃってるというか・・・・・・って、ごめんなさい。また、気不味い話をしちゃって、でも、あたしは、もう気にしてないから・・・・・・」

 幸の顔が明らかに作り笑いになっていた。それを見て登が思わず、

「・・・・・・いや、慣れちゃだめだ」

 口に出した。




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