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第三十三話 一人じゃ行きにくい所その九

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「えっ⁉」

「だって、幸さんは悪くないだろ?それなのに・・・・・・慣れちゃうのは違うというか・・・・・・」  

「・・・・・・」  

 幸が登を見て、少し考え込む。

「ああ、ごめん。余計なこと言った上、タメ口になってて・・・・・・」

「・・・・・・いえ、全然。気にしないで下さい。あと、タメ口でかまいません」

「・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えて・・・・・・っと言ってもあまり時間はないけど」

 と登は少し残念な顔をしていた。

「・・・・・・」

 四人は遊園地から出て、駐車場に向かった。その途中、トイレを見かける。

「僕、トイレ行ってくる」

「わかった。俺はここで待ってるから」

「・・・・・・私も行こうかしら」

「あたしはさっき行ったから、ここで待ってる」

 二人はトイレに行く。

「・・・・・・あの、今日はいろいろとありがとう」

「いえ、こちらこそ楽しかったので」

「健太・・・・・・姉──両親が土日祝関係ない仕事だから、その・・・・・・寂しいのか遊園地では何かと一緒に乗りたがるっていうか・・・・・・」

「・・・・・・大丈夫です。気持ちはわかります。昔、ここに来た時にあたしもそうだったので」

「そうなんですか・・・・・・」

 二人が話してると、

「おまたせ」

 と言いながら、健太が戻って来た。その後しばらくして、真知も戻ってきた。四人は少し歩いた所で、

「じゃあ、車が向こうなので、ここで・・・・・・今日はありがとうございます」

 登が別れとお礼の挨拶をする。

「真知さん、お姉ちゃんありがとう」

「いえ、こちらこそ楽しかったです」

「そうよ。とても楽しかったわ」

「では、失礼します」

「じゃあね」 

 登達は駐車してる車へと去っていく。移動しながら、健太が幸達に大きく手を振る。幸達も軽く手を振って返す。

「・・・・・・」

 真知が幸のなんだか、寂しそうな顔を見て、

「名残り惜しいかもしれないけど・・・・・・私達も帰りましょう」

「あ、うん」

 幸達も車へと歩いて行った。

 
 

 
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