浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

第二十八話 一人じゃ行きにくい所その四

　しばらくして、幸と健太は縦に三百六十度回転する絶叫アトラクションに乗っていた。

　そのアトラクションからは大きな絶叫が聞こえた。幸と健太も絶叫しながら楽しんでいた。

　そして、二人はアトラクションを乗り終えると、

「お姉ちゃん。ありがとう」

「いいえ」

　話しながら、登の座るベンチに戻る。

「アトラクションはどうだった？」
　
　登が健太に訊ねる。すると、

「面白かった！」　　

　健太は、笑顔で答える。

「そうか、そりゃあよかった」

　そう言いながら、健太の頭を撫でる。

「これで、絶叫系は制覇したよ！」

「そうだな･･････あ！」

　登は幸を見る。

「先程はありがとうございます」　　　

「いえ」

「おかげで楽になりました」

「それはよかったです」

「その上、健太に付き合ってくれてありがとうございました」

「いえ･･････好きでやったことなので」

「その･･････」

　登は後頭部を触る。

「お昼をご馳走させてくれませんか？いや、させて下さい」

「え？」

「もちろん、お母さんも一緒に･･････」

「いえ、ご馳走だなんていいですよ。たいしたことしたわけじゃないですし」

「そう言わず、お世話になってそのままと言うのもあれなので･･････」

　二人が話していると、

「ご馳走になったら？」

「お母さん！」