浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第二十四話 話してちょうだい

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「実はね、幸に彼氏がいたのは、定かではなかったけど、気づいてたの・・・・・・とは言っても、全員じゃないわよ。
 
 最初の彼氏と二人目だけね。 
 
 一人暮らしをしてからはさすがにわからなかったわ」

「でも、なんでわかったの?お母さんには言ってなかったのに・・・・・・」

「表情みれば、なんとなくわかるわよ。幸、顔に出るから」

「・・・・・・そう」

「それで、今日は晴美達と飲み屋でその話をして、その帰りに偶然知らない女性に挨拶して、見送ってる幸を見かけてね」

「あの時か・・・・・・」

「その時、これは確かめるチャンスかなと隠れながら、私だけ距離取って、電話したのよ。

 それで彼氏ができたのなんて、聞いても、素直に教えてくれないかなと、ありもしないお見合いの話をして確認したのよ。彼氏がいれば、さすがにそう言って断ると思ったから」

「じゃあ、お見合いの話も嘘だったの?・・・・・・」

「ごめんね」

「でも、なんでわざわざ、道夫さんにお願いしたの?」

「それだけではわからないことがあったからね。でも、ちょうどよく幸が公園のベンチに座り込んだから、これはチャンスとばかりにお願いしたのよ」

「なるほど」

「けど、まさか、さっき別れたばかりだなんて思わなくてね・・・・・・ごめんね」

「いいよ。おかげで気が紛れたから」
 
「そう、それはよかったわ。でも、幸・・・・・・これだけは言わせて」

「何?」

「お母さんはそんな過去のことをいつまでも引きずらないから、彼氏ができたら、きちんと教えてちょうだい!いいね」

「うん。わかった。ごめん」

「じゃあ、幸。明日、私に付き合ってちょうだい」

「何に?」

「それは明日のお楽しみ。今日は幸のアパートに泊まらせてちょうだい」

「うん。わかった」

 真知と幸は、道夫と晴美にお礼と別れの挨拶して、アパートに向かった。




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