浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

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第二十話 幸の過去その六

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 それと同時にスマホのバイブ音が鳴る。

「え!どうして!」

「他に好きな人ができた」

「えっ!」

「だから、すまないが・・・・・・」

 その間にも、スマホのバイブ音が鳴り響く。

「そっか・・・・・・」

 それは仕方ないか・・・・・・

「うん。わかった」

「ありがとう・・・・・・」

「ちなみにその人とは・・・・・・」

「勿論、告白もしてないし、まだ、何も──」

 と悟が話してる途中で、

「さ~とちゃん」

 悟にいきなり、二十代くらいの巨乳金髪女性が抱きついてきた。
 
「明美⁉」

「なんで、電話に出てくれなかったの?」

「ごめん。今大切な話をしていて、それどころじゃなくて・・・・・・ってなんで、ここがわかったの⁉」

「忘れたの?この間、お互いに場所がわかるようにってGPSつけたじゃん!」

「そういや、そうだったね・・・・・・」

 この人、何?悟さんに抱きついて、しかも、お互いの場所がわかるようにGPSつけたって・・・・・・まさか──

「もしかして・・・・・・浮気してたの?」

「!──いや、その・・・・・・」

 悟が口ごもると、そこに明美が、

「そうだよ!アタイら三週間前から付き合ってるんだ」

 話に入り込む。

「おい!」

「あんたの胸じゃ物足りないってアタイの胸触りながら、さとちゃん言ってたよ」

「明美ぃ!」

 悟がチラッと見る。

「・・・・・・」

「だって、もうアタイら茨城から東京に引っ越すんだよ。ここで何言おうが、別にいいじゃん?」

「何言ってるんだよ!いいわけ・・・・・・ごめん、幸」

 ・・・・・・あたしはこんな女に悟さんを盗られたの?どうして?胸が大きいから?

 幸は立ち上がり、ポシェットから財布を出す。

 そこから千円札を出して、テーブルに置き、

「お釣りはいらないから・・・・・・さよなら!」

 そう言って、涙目になりながら幸は去って行った。

 




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