浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

和山忍

文字の大きさ
上 下
20 / 113

第十九話 幸の過去その五

しおりを挟む
 さらに数年後── 

 幸はアナグマ幼稚園に就職していた。

 そして、幸は友達の紹介で穴山悟あなやまさとるという三つ年上の男性と出会い、告白され付き合っていた。 

 その悟はイラストレーターを目指していた。

 その際、幸に様々な衣装を着せてはモデルにしてイラストを描いていた。

 幸も悟の役に立てて、嬉しく感じていた。

 そんなある日。

「やったー」

「どうしたの?」

「見てくれ!」

 それは、幸をモデルに描いたイラストで大賞を受賞したのだ。

「すごい!」

「幸のおかげだよ!ありがとう!」

「そんなことないよ。悟さんが頑張ったからだよ!」
 
 悟の所にはそれをきっかけに仕事が舞い込むようになる。しかし、それと同時に悟の性格にも変化が起きる。

 それから十ヶ月後──

 それは悟のアパートに幸が来ていた時だった。

 幸は座って、小説の表紙を見ていた。

「これって、悟が描いたイラストなんだよね?」

「ああ、そうだよ」

「すごいね」

「それほどでも・・・・・・」

 悟は幸をじっと見る。

「なあ、幸」 

「何?」

「その・・・・・・胸を触ってもいいかな?」

「えっ⁉」

「あっごめん!嫌だよね?」

 ・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・服の上からならいいよ」

「えっ!いいの?」

「うん・・・・・・恥ずかしいけど」

 幸は頬を赤らめながら返答する。

「わかった・・・・・・」

 そういうと、悟は後ろから幸の胸を触る。

「・・・・・・」

 幸は頬をさらに赤らめる。

 悟は優しく、そっと軽く揉むように触る。

 そして、軽く撫でるように触る。

 ・・・・・・やっぱり恥ずかしい。

「・・・・・・ありがとう」

「うん」

 悟は幸の胸を触るのをやめる。

「・・・・・・」

 それから、一ヶ月後──

 幸は悟に呼ばれ、レストランに来ていた。

「どうしたの?」

「大事な話がある」

「大事な話?」

 もしかして、プロポーズ?と幸はそう思いながら、心臓をドキドキさせる。

「別れて欲しい」

「へっ⁉」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

朝起きたら同じ部屋にいた婚約者が見知らぬ女と抱き合いながら寝ていました。……これは一体どういうことですか!?

四季
恋愛
朝起きたら同じ部屋にいた婚約者が見知らぬ女と抱き合いながら寝ていました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

犠牲の恋

詩織
恋愛
私を大事にすると言ってくれた人は…、ずっと信じて待ってたのに… しかも私は悪女と噂されるように…

社長から逃げろっ

鳴宮鶉子
恋愛
社長から逃げろっ

処理中です...