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第十一話 まさかの・・・・・・その五

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「待って!僕を見捨てないで!」

 見捨てないでって・・・・・・

「お願いだ!不倫したのは悪かった。僕にはもう君しかいないんだ!」

 確かにそうだね。でも・・・・・・

「私は今回のことであなたを信用することができません。だから、あなたと夫婦を続けたいと思いません」

 だよね・・・・・・

「そんな・・・・・・なんで?」

 いや、そりゃあ続けたいと思わないよ。あたしが奥さんの立場だったら、絶対やだもん。

「頼むよ。僕を捨てないでくれ!」

「はあ~」

 早苗は溜め息をつき、ボイスレコーダーを再生させる。

『しらばくれるな、この嘘つき女!』

『嘘なんて、ついてません』

『よく、そんな嘘をつけるなぁ!今まで僕の身体にしつこいくらい、その貧相な胸を押し付けてきたくせにさぁ!』

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

『うわっ!泣いた。女の十八番出たよ!そうやって泣けばすぐ許されると思って泣く。ああ、やだやだ!』

 ボイスレコーダーを止める。

「あぁ・・・・・・あ」

「法律は詳しくないけど、これってセクハラとモラハラになるのかしら?正直、他の人に対してこんなこと言う人と夫婦をしたくありません」

「・・・・・・本当のこと言って何が悪い!」

 何、開き直ってるんだよ!

「幸ちゃんに謝る気はないの?」

「ないね!本当のことだからね」

 生きたまま、地獄に落ちろ!

 幸の手がプルプルしていた。

「そもそも僕が幸に惚れたのは、身体じゃない!」

 えっ!


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