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第五話 幻想食堂その三

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 駿河がハイパーアルコールドリンクというのを飲む。

「そういえば、それってあたしの赤ワインと一緒にきてましたけど、何ですか?」

「これはハブ酒だよ。飲んでみる?」

「いいんですか?ありがとうございます。おかえしにあたしの赤ワインどうぞ」

 幸は赤ワインを駿河に渡し、駿河はハイパーアルコールドリンクを幸に渡した。

 幸は慎重にゆっくりハイパーアルコールドリンクを飲むと

「あれ、思ったより飲みやすい!」

「やっぱり、最初そう思うよね?」

「はい・・・・・・ハブ酒ってなんかアルコールがきついイメージがあって」

「他ではわからないけど、ここのは飲みやすいんだ」

「へぇ~赤ワイン飲み終わったら、頼もう」

 しばらくして、幸と駿河は雑談をしていた。

「幼稚園の先生って大変じゃない?」

「大変ですけど、子供は可愛いし、天職だと思ってます」

「そうか、それはよかった」

 しばらく雑談が続き、駿河が時計を見る。

「そろそろ出ようか」

「はい、えーとお会計はいくらですか?」

「ちょっと待って。ここは全部、僕が出すよ」

「でも、毎回出してもらってばかりですし、今回は──」

「大丈夫だって」

 そう言いながら、駿河は手で静止する。

「・・・・・・わかりました。ご馳走になります。ありがとうございます」

「うん」

 幸は先に店の外に出る。



 
 
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