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第二話 待ち合わせ
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十九時五十分──
幸は、百貨店の入口付近で彼氏の上木駿河を待っていた。
普段、仕事の関係で髪型はポニーテールだが、この時はセミロングヘアに変えていた。上は黒色のノースリーブに下は薄茶色のロングスカート、靴は黒いTストラップサンダルだった。手には黒のハンドバッグを両手で持っていた。
駿河さんが連れていってくれるお店は、どこも美味しいから楽しみだなと幸が思っていると、あることを思い出す。
付き合って一ヶ月くらいの頃、食事の帰りに駿河さんが住むアパートが近くだという話になり、酔った勢いで部屋を見せてとせがんだことがあった。
その時は部屋に入るなり、寝室、浴室、洗面所などあちこち見てまわった記憶がある。そして、次の日に謝罪をしたものの、今にしてみれば、嫌われてもおかしくなかったと思う。
そして、男の部屋に女が一人で入ったとなれば、何が起きてもおかしくはなかった。しかし、駿河さんは女が部屋に入ってきたというのに何もしなかった。それは駿河さんが誠実で紳士的だったからなのか、それとも自分に魅力を感じなかったからなのかと思いながら、自分の貧相な胸を見る。
幸がそんなことをしてると、
「幸」
上木駿河がスーツ姿でやってきた。
「駿河さん」
「幸は早いな。何分待った?」
「5分くらいですよ」
「そっか」
駿河は幸を見て、
「今日も綺麗だね。幸」
「ありがとうございます」
「早いけど行こうか」
「はい」
駿河は幸の手を繋ぎ、お店へと向かって行った。
幸は、百貨店の入口付近で彼氏の上木駿河を待っていた。
普段、仕事の関係で髪型はポニーテールだが、この時はセミロングヘアに変えていた。上は黒色のノースリーブに下は薄茶色のロングスカート、靴は黒いTストラップサンダルだった。手には黒のハンドバッグを両手で持っていた。
駿河さんが連れていってくれるお店は、どこも美味しいから楽しみだなと幸が思っていると、あることを思い出す。
付き合って一ヶ月くらいの頃、食事の帰りに駿河さんが住むアパートが近くだという話になり、酔った勢いで部屋を見せてとせがんだことがあった。
その時は部屋に入るなり、寝室、浴室、洗面所などあちこち見てまわった記憶がある。そして、次の日に謝罪をしたものの、今にしてみれば、嫌われてもおかしくなかったと思う。
そして、男の部屋に女が一人で入ったとなれば、何が起きてもおかしくはなかった。しかし、駿河さんは女が部屋に入ってきたというのに何もしなかった。それは駿河さんが誠実で紳士的だったからなのか、それとも自分に魅力を感じなかったからなのかと思いながら、自分の貧相な胸を見る。
幸がそんなことをしてると、
「幸」
上木駿河がスーツ姿でやってきた。
「駿河さん」
「幸は早いな。何分待った?」
「5分くらいですよ」
「そっか」
駿河は幸を見て、
「今日も綺麗だね。幸」
「ありがとうございます」
「早いけど行こうか」
「はい」
駿河は幸の手を繋ぎ、お店へと向かって行った。
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