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7話
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二見興玉神社のトイレの付近に金丸を待つ仁科がいた。「ちと、ちとそこの若いの、、」「返事をせんか」仁科は振り返る。
するとトイレ付近の前にあるコカ・コーラと書いてある赤い自販機の横にある、青いベンチに座る背の低い、白髪の剥げたご老人がいた。老人はせんべいの似合う男性に見えた。
仁科「なんですか?」ご老人「お主はよ、早う助けんかい」仁科「??」老人は海の方を見ていた。二見興玉神社は海に面しており、夫婦岩はそこにある。ご老人「若いのがおるじゃろ、さっきから若いのがそこで立っちょるやろ?お主なんで気づかん。」それもそのはず仁科はずっとスマホを見ていた。
仁科は老人の視線の先を追った。すると二見興玉神社から夫婦岩の間に1人の女性が見えた。仁科「あっ…あの娘あんな所で何してるんだ!」ご老人「じゃろぅ、靴までぬいどろうにゃ」その女性は二見興玉神社の木でできたガードレールを越えて夫婦岩に繋がる海側に立っていた。しかも二見興玉神社側のガードレール下に靴まで吐き捨ててある。
仁科「ちょっと待ったぁ!」仁科は走り出した。女性は右足上げて歩くように見えた。仁科は段々女性に近づいていきガードレールまでたどり着いた。
仁科「君、そんな所でなにしてるんだ!?」女性は長い黒髪をなびかせながら振り返る事なく海の方へ歩き出した。仁科「ちょっちょっ!と」仁科は慌ててガードレールから身を乗り出す。
仁科は女性の右手を掴んだ。仁科「君なにしてるんだ!それ以上進んだら危険だよ」海は荒れていた。女性「いいんです。」
仁科「なにが!?」女性「ほっといてください。私はもういいんです。」女性は長い黒髪をなびかせながら呟くように仁科に話した。その瞳には涙が一粒したたり落ちるように流れているのが見えた。白い肌に細い身体はより一層か弱く見える。
仁科「ほっとけないよ、話しを聞かせて下さい。お願いします。話しを聞かせて下さい。」仁科は説得療法を思い出しながら話した。仁科「その後なら私は止めません。一度だけで大丈夫です。向こうで話しを聞かせて下さい。お願いします。」女性「あなたに何が分かるの?!彼はもう戻らないのよ!」そう話すと女性は泣き崩れてその場に座りこんだ。
仁科は彼女の右手をしっかりと握っている。岩場で危険なこの場所から早く脱したい仁科。すると見かねた老人がゆっくり歩いてきた。老人「そんな所におっちゃかん、はよこっちへこんかい」
女性はしばらく泣いた後、ゆっくりとうなずきながら老人の方へと仁科に捕まりながら戻っていった。
一方、事件発覚から6時間後のサンセット伊勢では、なにやら騒がしい様子である。それはそのはず、殺人事件が起きるなんて誰一人予想だにしていなかった。
旅館店主「おいおい、どうするよ。」マネージャー「鳥羽さん落ち着きましょう。」女将「困りましたわね。」マネージャー「警察の方へ、できる限りの協力をする事が先決ですよ。」女将「そうよね。」
旅館店主「そうだな。気を取り直してと。」3人は旅館のミーティングルームで話し合っていた。他の従業員には業務になるべく負担をかけないように、3人で事件を話し合っていた。旅館店主「まずはマネージャー、あの日に旅館に居なかった組は何組ある?あと蛇の侵入経路はあるのか?警察の方から聞かれてるのだが。」マネージャー「はい、4月27日宿泊者は全部で7組になります。3組は外出していました。旅館でひと晩過ごしたのは残りの4組になります。」旅館店主「4組と、3組ね」旅館店主は警察に渡すためメモを取っている。女将「蛇に関しては、宿泊者、従業員、警備員に聞いても誰1人情報が無いのよ。」旅館店主「蛇はいないっと。しかし蛇の抜け殻なんて変だよね。」マネージャー「ですね。」女将「ほんと気味悪いわね」
金丸はきょとんとしていた。今朝の事は今朝の事で、まさか自分が泊まっている隣の隣の部屋で殺人事件が起きた事により、無理して仁科とよそ事のようにとりつくっていたり、いかに精神科医といえども、精神はすでにズタズタの状態であった。にも関わらず今度はスサノオという青年にヤマタノオロチ達に命を狙われていると目の前の青年に言われているからだ。
ヤマトタケル「まずい!まずい!…」金丸「うっ!」ヤマトタケルは金丸の方を見た。ヤマトタケル「まさか!金丸さんこの匂いがわかるのですか?」金丸「匂いというか、異様な匂いがします。」ヤマトタケル「はい!近づいています。鬼が。」するとヤマトタケルはミコちゃんに向かって話しかけた。
ヤマトタケル「ミコ!大嶽丸(おおたけまる)が近づいてきている!!金丸さんを表に出してくれ!」ミコ「わかったよ」ヤマトタケル「金丸さん、今は一刻を争います。また会いましょう!ミコ金丸さんを頼んだ!大嶽丸を遠ざけてくる!ミコも逃げるんだ!!」するとタケルは一瞬で姿を消した。金丸「消えたよ!お兄ちゃん!」ミコ「うん、鬼退治だよ」と笑ってミコは金丸の背中に回ってその手を背中に当てた。
するとトイレ付近の前にあるコカ・コーラと書いてある赤い自販機の横にある、青いベンチに座る背の低い、白髪の剥げたご老人がいた。老人はせんべいの似合う男性に見えた。
仁科「なんですか?」ご老人「お主はよ、早う助けんかい」仁科「??」老人は海の方を見ていた。二見興玉神社は海に面しており、夫婦岩はそこにある。ご老人「若いのがおるじゃろ、さっきから若いのがそこで立っちょるやろ?お主なんで気づかん。」それもそのはず仁科はずっとスマホを見ていた。
仁科は老人の視線の先を追った。すると二見興玉神社から夫婦岩の間に1人の女性が見えた。仁科「あっ…あの娘あんな所で何してるんだ!」ご老人「じゃろぅ、靴までぬいどろうにゃ」その女性は二見興玉神社の木でできたガードレールを越えて夫婦岩に繋がる海側に立っていた。しかも二見興玉神社側のガードレール下に靴まで吐き捨ててある。
仁科「ちょっと待ったぁ!」仁科は走り出した。女性は右足上げて歩くように見えた。仁科は段々女性に近づいていきガードレールまでたどり着いた。
仁科「君、そんな所でなにしてるんだ!?」女性は長い黒髪をなびかせながら振り返る事なく海の方へ歩き出した。仁科「ちょっちょっ!と」仁科は慌ててガードレールから身を乗り出す。
仁科は女性の右手を掴んだ。仁科「君なにしてるんだ!それ以上進んだら危険だよ」海は荒れていた。女性「いいんです。」
仁科「なにが!?」女性「ほっといてください。私はもういいんです。」女性は長い黒髪をなびかせながら呟くように仁科に話した。その瞳には涙が一粒したたり落ちるように流れているのが見えた。白い肌に細い身体はより一層か弱く見える。
仁科「ほっとけないよ、話しを聞かせて下さい。お願いします。話しを聞かせて下さい。」仁科は説得療法を思い出しながら話した。仁科「その後なら私は止めません。一度だけで大丈夫です。向こうで話しを聞かせて下さい。お願いします。」女性「あなたに何が分かるの?!彼はもう戻らないのよ!」そう話すと女性は泣き崩れてその場に座りこんだ。
仁科は彼女の右手をしっかりと握っている。岩場で危険なこの場所から早く脱したい仁科。すると見かねた老人がゆっくり歩いてきた。老人「そんな所におっちゃかん、はよこっちへこんかい」
女性はしばらく泣いた後、ゆっくりとうなずきながら老人の方へと仁科に捕まりながら戻っていった。
一方、事件発覚から6時間後のサンセット伊勢では、なにやら騒がしい様子である。それはそのはず、殺人事件が起きるなんて誰一人予想だにしていなかった。
旅館店主「おいおい、どうするよ。」マネージャー「鳥羽さん落ち着きましょう。」女将「困りましたわね。」マネージャー「警察の方へ、できる限りの協力をする事が先決ですよ。」女将「そうよね。」
旅館店主「そうだな。気を取り直してと。」3人は旅館のミーティングルームで話し合っていた。他の従業員には業務になるべく負担をかけないように、3人で事件を話し合っていた。旅館店主「まずはマネージャー、あの日に旅館に居なかった組は何組ある?あと蛇の侵入経路はあるのか?警察の方から聞かれてるのだが。」マネージャー「はい、4月27日宿泊者は全部で7組になります。3組は外出していました。旅館でひと晩過ごしたのは残りの4組になります。」旅館店主「4組と、3組ね」旅館店主は警察に渡すためメモを取っている。女将「蛇に関しては、宿泊者、従業員、警備員に聞いても誰1人情報が無いのよ。」旅館店主「蛇はいないっと。しかし蛇の抜け殻なんて変だよね。」マネージャー「ですね。」女将「ほんと気味悪いわね」
金丸はきょとんとしていた。今朝の事は今朝の事で、まさか自分が泊まっている隣の隣の部屋で殺人事件が起きた事により、無理して仁科とよそ事のようにとりつくっていたり、いかに精神科医といえども、精神はすでにズタズタの状態であった。にも関わらず今度はスサノオという青年にヤマタノオロチ達に命を狙われていると目の前の青年に言われているからだ。
ヤマトタケル「まずい!まずい!…」金丸「うっ!」ヤマトタケルは金丸の方を見た。ヤマトタケル「まさか!金丸さんこの匂いがわかるのですか?」金丸「匂いというか、異様な匂いがします。」ヤマトタケル「はい!近づいています。鬼が。」するとヤマトタケルはミコちゃんに向かって話しかけた。
ヤマトタケル「ミコ!大嶽丸(おおたけまる)が近づいてきている!!金丸さんを表に出してくれ!」ミコ「わかったよ」ヤマトタケル「金丸さん、今は一刻を争います。また会いましょう!ミコ金丸さんを頼んだ!大嶽丸を遠ざけてくる!ミコも逃げるんだ!!」するとタケルは一瞬で姿を消した。金丸「消えたよ!お兄ちゃん!」ミコ「うん、鬼退治だよ」と笑ってミコは金丸の背中に回ってその手を背中に当てた。
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