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出会い
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しおりを挟む私が貴方に初めて出会ったのは、まだ恋など愛などと、そんな情熱的な感情など知る由もなかった八歳の頃。
十歳年上の兄が向こうで出来た学友だと、寄宿学校から帰省した夏に紹介してくれた。
陽射しに照らされて輝く白銀の髪はまるで銀糸のように美しく、その美しさに劣る事のない容姿は、まだ少年のようなあどけなさを残しつつも大人の色香を放っていた。
「——初めまして、リディアナ」
優しく私の手を取り、そっとキスを落とした彼の所作はとても優雅で。真近で目にしたその端正な顔立ちは、この世のものとは思えぬ程に美しく、そのあまりにも美しい姿には恐ろしささえ感じた。
背筋にゾクリと走る痺れるような感覚に、私は目の前の彼から瞳を逸らす事ができないでいた。
言い知れぬその感情は、まるで悪魔にでも魅入ってしまったかのよう。
——私はこの時、恐ろしくも美しい彼に心を奪われてしまったのだ。
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