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小5【夏】
涼
しおりを挟む【愛しい君へ~】
いつかお爺ちゃんお婆ちゃんになって
その時を迎えるまで、ずっとずっと
君の隣にいたかったーー
※※※
君と初めて出会ったのは、小学3年生の頃。クラスが同じになった事がキッカケだった。
垂れ目がちの大きな瞳に、色素の薄いサラサラの髪。
真っ白な肌にほんのりと色づく頬。小さめだけど、スッとした綺麗な鼻と小さな口。
まるでーーお人形さんみたいな子だなって。そう、思った。
こんなに可愛い子がこの世にはいるんだって、俺はビックリしたんだ。
家が近かった事もあって、すぐに仲良くなった俺達。
同級生よりも身体の小さかった夢は、俺にとってまるで妹みたいな存在だった。
俺が、守ってあげなきゃってーー
可愛くてよく男子にからかわれる事の多かった夢は、よくイジメられて泣いていたね。
泣いている夢を慰める為に頭をポンポンと撫でると、まるで花が咲いたかのような笑顔を見せる夢。
俺はそれが嬉しくて、いつからか頭を撫でるのが癖になっていた。
そんなある日、俺の中で小さな変化があった。
他の子と仲良くする夢を見て、夢の1番は俺でいて欲しいって。そんな、独占欲にも似た感情が芽生えるようになっていた。
ーーいつからか俺は、夢の事を1人の女の子として好きになっていた。
2人の気持ちが同じなんだと知った時は、俺は凄く嬉しかったんだ。
これからも、夢の事をずっと大切にしてあげたい。
君が怖がるもの。君を泣かせるもの。全てから、守ってあげたいーー
ずっとずっと、俺が守ってゆく。そう、強く思った。
ーーーーーー
ーーーー
遠くなる意識の中で、夢の笑顔を思い浮かべる。
可愛い、可愛いーー夢。
俺は最期のその瞬間まで、ずっと君を想い続けていたーー
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