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「フィンレー男爵が貴女に私たちエガートン公爵家に失礼のないようにとおっしゃった?えぇ、えぇ、当然でしょうね。今やあなたたちの商会は実質うちの下請け。成功は私の実家のおかげだもの。」
「嘘でしょ……。」
「いいえ?紛れもない事実よ。だからさっきから弟が笑い転げてるじゃない。――――あぁそうだ、貴女、相当私のこと馬鹿にしてたみたいね?能無し、とか偉そう、とか。…………あぁ、別に弁明なんていらないわ。クリスから聞いてるわよ、…………全部、ね。」
「待って、待って…………。」
「そんな能無しから恵まれるなんて我慢ならないでしょう?……ふふっ、実は、投資部門の最高責任者って、私なのよねぇ………………。――――――解放してあげるわ、よかったわね。」
「待って、ねぇ、謝るから…………。」
「あら、突然どうしたの?そんなに震えて。かわいそうにね。――――でも残念。さっきクリスだけ先にここに来てたって言ってたでしょ?もうフィンレー男爵家への投資を打ち切りにする旨の話は私たちのお父様まで通ってるわ。」
「あぁ…………。そんな……。」
「それじゃぁ、私はこの辺で。」

にっこりと微笑んで席を立ったシルヴィアだったが、立ち去る前に静止がかかった。


「ま、まて……!俺が王太子じゃなくなるならこの国の時期国王は誰になるんだ!?俺に弟は居ない。まさかここで国が終わるなんてこと……。」

失意から何とか身を奮い立たせてルバートが問いかける。ルバートは一人っ子だった。だからこそ次期国王として大切に育てられたのだが。
そんな彼に心底不思議そうな表情を見せると、シルヴィアは淡々とした表情でさも当然といったように言い放った。


「……??…………私がなるに決まってるじゃない。」
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