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「そんな……そんなの許さないわ!王太子じゃなくなるならあんたなんてなんの価値もない!」
「サ……サラ?」
「触んないでよ!あ~あ、あんたなんかを落とすために使った時間が無駄になったじゃない!それなら他の人達の方がマシだわ!」
サラは、縋り付くように伸ばされたルバートの手を汚いものでも触るように叩き落とした。
ルバートは信じられない物を見たような表情を浮かべて呆然と自分の手を見つめていた。
そうしてサラはくるっと振り返ると先程まで自分を責め立てていた男たちにしなだれかかるような視線を向けた。
「仕方ないからあんたと結婚するわ、クリス。……何笑ってんのよ、不愉快だわ!やっぱりあんたは無しよ。エド、結婚しましょう。……エド?なんて顔してるの?……なんで逃げようとしてんのよ!じゃあアレックス……アーサー……?なんでよ、なんでそんな目で私を見るの!?あんたたち、私に心底惚れ込んでたでしょ!?」
彼女に呼ばれた面々は、努めて目を合わせないように視線を逸らし、後ずさる。
先程のルバートへの態度を目の当たりにして彼女とやっていくのは不可能だと判断したようだ。
賢明な判断だろう。
ただひとり、クリストファーだけは笑い転げていたが。
「あらそこのあなた、私のお茶会をぶち壊してまで貫きたかった『真実の愛(笑)』なんでしょう?ルバートと結婚したら良いじゃないの。」
「馬鹿なこと言わないで!なんで私が」
「折角の王妃殿下からの行為をむげにするのか?結婚したらいいじゃないか。」
「~~~~っ!!!」
半笑いで煽ってくるクリストファーにサラは殺意を抱いた。だがクリストファーの目は笑っていない事に気がついた彼女はすっと腹の奥が冷えるような感覚を覚えた。
「そんな……そんなの許さないわ!王太子じゃなくなるならあんたなんてなんの価値もない!」
「サ……サラ?」
「触んないでよ!あ~あ、あんたなんかを落とすために使った時間が無駄になったじゃない!それなら他の人達の方がマシだわ!」
サラは、縋り付くように伸ばされたルバートの手を汚いものでも触るように叩き落とした。
ルバートは信じられない物を見たような表情を浮かべて呆然と自分の手を見つめていた。
そうしてサラはくるっと振り返ると先程まで自分を責め立てていた男たちにしなだれかかるような視線を向けた。
「仕方ないからあんたと結婚するわ、クリス。……何笑ってんのよ、不愉快だわ!やっぱりあんたは無しよ。エド、結婚しましょう。……エド?なんて顔してるの?……なんで逃げようとしてんのよ!じゃあアレックス……アーサー……?なんでよ、なんでそんな目で私を見るの!?あんたたち、私に心底惚れ込んでたでしょ!?」
彼女に呼ばれた面々は、努めて目を合わせないように視線を逸らし、後ずさる。
先程のルバートへの態度を目の当たりにして彼女とやっていくのは不可能だと判断したようだ。
賢明な判断だろう。
ただひとり、クリストファーだけは笑い転げていたが。
「あらそこのあなた、私のお茶会をぶち壊してまで貫きたかった『真実の愛(笑)』なんでしょう?ルバートと結婚したら良いじゃないの。」
「馬鹿なこと言わないで!なんで私が」
「折角の王妃殿下からの行為をむげにするのか?結婚したらいいじゃないか。」
「~~~~っ!!!」
半笑いで煽ってくるクリストファーにサラは殺意を抱いた。だがクリストファーの目は笑っていない事に気がついた彼女はすっと腹の奥が冷えるような感覚を覚えた。
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