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番外編2~ルーカスside~
21話
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「アリシアを……?…………詳しく聞いても?」
「はい、勿論でございます。殿下がいらっしゃった頃は彼女らもまだ忍んで関係を持っていたんです。その……、上手く行けば殿下を落としたかったのでしょう。ですが、彼女はそれに失敗した。望みが無いことを悟ると、今度はマーシャル侯爵子息へとターゲットを変更しました。そこまではご存知かと思います。殿下が卒業したあとも暫くは大人しかったのです。ですが、最近はアリシア様がなにも仰らないからと人目も憚らずイチャイチャと……!それも聞くに絶えないような内容だってあります!……こほん。失礼致しました。マーシャル侯爵子息はあまり行動に変化が見られません。ですが、男爵令嬢は違います。アリシア様の近くで騒ぎを起こしたり、聞こえよがしに被害者面したり……まだまだ沢山ありますが、本当に酷いものです!学園の生徒達の殆どは馬鹿では無いのでどちらが正しいかはきちんと分かっています。ですが、マーシャル侯爵子息は別です!あの人はころっと騙されるでしょう。あの女の本性が分かっていないんです!きっとあの女はアリシア様からマーシャル侯爵子息を奪うつもりですわ!ですが、アリシア様は考えすぎだとおっしゃって……私が言っても困った顔で微笑まれるだけで、深刻には思っていらっしゃらないようで……。どうか、殿下の方から助言して頂けないでしょうか?」
一見大人しく見えていた彼女は、堰を切ったように話し始めた。アリシアが戻って来るかもしれないという焦りからか、思い出して怒りがわいてきたのだろうか。顔を真っ赤にして肩で息をしている。
ローザはどこか不安げな表情をしているが、アリシアのためになることでルーカスが動かないなんてことがある訳が無い。
「あぁ、勿論だ。情報の提供、感謝する。」
ルーカスがそう言うと、ローザはほっとしたように顔を明るくした。この子は顔に感情が出やすいタイプなのだろうか?アリシアとは真逆のタイプだ。
どこか妹のような雰囲気を感じさせる。
アリシアが可愛がるのも納得だ。
話に一段落着いたところで丁度アリシアが戻ってきた。
話はここまでだ。先程の懸念を念頭に置きつつも、これからはアリシアも交えてこれからどうするのか決めていかなければならない。
「はい、勿論でございます。殿下がいらっしゃった頃は彼女らもまだ忍んで関係を持っていたんです。その……、上手く行けば殿下を落としたかったのでしょう。ですが、彼女はそれに失敗した。望みが無いことを悟ると、今度はマーシャル侯爵子息へとターゲットを変更しました。そこまではご存知かと思います。殿下が卒業したあとも暫くは大人しかったのです。ですが、最近はアリシア様がなにも仰らないからと人目も憚らずイチャイチャと……!それも聞くに絶えないような内容だってあります!……こほん。失礼致しました。マーシャル侯爵子息はあまり行動に変化が見られません。ですが、男爵令嬢は違います。アリシア様の近くで騒ぎを起こしたり、聞こえよがしに被害者面したり……まだまだ沢山ありますが、本当に酷いものです!学園の生徒達の殆どは馬鹿では無いのでどちらが正しいかはきちんと分かっています。ですが、マーシャル侯爵子息は別です!あの人はころっと騙されるでしょう。あの女の本性が分かっていないんです!きっとあの女はアリシア様からマーシャル侯爵子息を奪うつもりですわ!ですが、アリシア様は考えすぎだとおっしゃって……私が言っても困った顔で微笑まれるだけで、深刻には思っていらっしゃらないようで……。どうか、殿下の方から助言して頂けないでしょうか?」
一見大人しく見えていた彼女は、堰を切ったように話し始めた。アリシアが戻って来るかもしれないという焦りからか、思い出して怒りがわいてきたのだろうか。顔を真っ赤にして肩で息をしている。
ローザはどこか不安げな表情をしているが、アリシアのためになることでルーカスが動かないなんてことがある訳が無い。
「あぁ、勿論だ。情報の提供、感謝する。」
ルーカスがそう言うと、ローザはほっとしたように顔を明るくした。この子は顔に感情が出やすいタイプなのだろうか?アリシアとは真逆のタイプだ。
どこか妹のような雰囲気を感じさせる。
アリシアが可愛がるのも納得だ。
話に一段落着いたところで丁度アリシアが戻ってきた。
話はここまでだ。先程の懸念を念頭に置きつつも、これからはアリシアも交えてこれからどうするのか決めていかなければならない。
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