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番外編1~プロポーズ編~
3話
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「そうよ~!いや絶対無理だと思ってたのよ~。良くやったわルーカス!」
「全っっっ然気づかなかったわ……。でも信頼出来る相手だし、嫁姑問題も起こりえないし?安心だわ~。」
国王の言葉に続き、今まで静かに話を聞いていた王妃と公爵夫人が興奮気味に話に加わってくる。
この二人は昔からの大親友であり、昔は国王、公爵とよく四人で遊ぶような仲なのだ。
恋バナに目を輝かせて食いついて来るのは婚前の少女と変わらない。
「ルーカス君、婚約しないな~大丈夫かな~って心配してたのよねぇ……。まさかアリシアを待ってたとは……。」
「いやぁ、どうしても諦めきれないからアリシアちゃんが結婚してどうしても手に入らなくなるまで待って欲しいって言われた時はちょっと複雑だったわ。そりゃアリシアちゃんが嫁に来てくれたら嬉しいけど失恋するのが目に見えてたし……それがまさか婚約破棄する為に手を貸して上手~くかっさらって来るとはねぇ……。」
「……かっ攫うって……人聞きの悪い……。」
ルーカスが咎めるような視線と共に小さく吐き出した呟きは盛り上がる彼女達の耳には入らないようだ。その様子に溜息をつきつつふと視線を動かすと、母親達に気を取られていたうちに、こちらはいつの間にか兄弟水入らずとでも言うかのように国王秘蔵のワインやらなんやらを持ち込んで酒盛りを始めていた。
騒がしいのには変わりないが今にも雄叫びをあげそうな勢いの国王とは対照的によく見ると公爵が少し泣いているように見えなくもない。
そんな大人たちの様子に呆れつつ、ルーカスは自分の隣に座って呆気に取られている少女に視線を戻すと、ある提案をした。
「ねぇ、アリシア。なんか皆楽しそうだしちょっと抜け出さない?」
何となく空気に飲まれて気まずくなりかけていたアリシアに、それはとても魅力的なものに感じられた。
「そうね。……なんかお邪魔みたいだし。どこに行くか決めてるの?」
「そうだな……確か中庭の薔薇園が見頃だった筈だ。そこに行くのはどう?」
王宮の中庭の薔薇園は、2人が昔よく一緒に遊んでいた場所だ。ここから少し距離はあるが、涼しい夜の風に吹かれながら散歩するのは、きっととても気持ちいいだろう。
アリシアの同意を受け取り、二人はそっと部屋を抜け、並んで歩き出した。
閉まった扉に暖かい視線が四つ注がれていた事に二人は気付く事は無かった。
「全っっっ然気づかなかったわ……。でも信頼出来る相手だし、嫁姑問題も起こりえないし?安心だわ~。」
国王の言葉に続き、今まで静かに話を聞いていた王妃と公爵夫人が興奮気味に話に加わってくる。
この二人は昔からの大親友であり、昔は国王、公爵とよく四人で遊ぶような仲なのだ。
恋バナに目を輝かせて食いついて来るのは婚前の少女と変わらない。
「ルーカス君、婚約しないな~大丈夫かな~って心配してたのよねぇ……。まさかアリシアを待ってたとは……。」
「いやぁ、どうしても諦めきれないからアリシアちゃんが結婚してどうしても手に入らなくなるまで待って欲しいって言われた時はちょっと複雑だったわ。そりゃアリシアちゃんが嫁に来てくれたら嬉しいけど失恋するのが目に見えてたし……それがまさか婚約破棄する為に手を貸して上手~くかっさらって来るとはねぇ……。」
「……かっ攫うって……人聞きの悪い……。」
ルーカスが咎めるような視線と共に小さく吐き出した呟きは盛り上がる彼女達の耳には入らないようだ。その様子に溜息をつきつつふと視線を動かすと、母親達に気を取られていたうちに、こちらはいつの間にか兄弟水入らずとでも言うかのように国王秘蔵のワインやらなんやらを持ち込んで酒盛りを始めていた。
騒がしいのには変わりないが今にも雄叫びをあげそうな勢いの国王とは対照的によく見ると公爵が少し泣いているように見えなくもない。
そんな大人たちの様子に呆れつつ、ルーカスは自分の隣に座って呆気に取られている少女に視線を戻すと、ある提案をした。
「ねぇ、アリシア。なんか皆楽しそうだしちょっと抜け出さない?」
何となく空気に飲まれて気まずくなりかけていたアリシアに、それはとても魅力的なものに感じられた。
「そうね。……なんかお邪魔みたいだし。どこに行くか決めてるの?」
「そうだな……確か中庭の薔薇園が見頃だった筈だ。そこに行くのはどう?」
王宮の中庭の薔薇園は、2人が昔よく一緒に遊んでいた場所だ。ここから少し距離はあるが、涼しい夜の風に吹かれながら散歩するのは、きっととても気持ちいいだろう。
アリシアの同意を受け取り、二人はそっと部屋を抜け、並んで歩き出した。
閉まった扉に暖かい視線が四つ注がれていた事に二人は気付く事は無かった。
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