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彼らから聞かされる話から考えると、どうやらフロリアは学園で上手くやっているらしい。
容姿、教養、性格、どれをとっても完璧で、面倒見も良く、学園では高嶺の花のような存在らしい。
彼女が学園内で上手くやっていけるか心配だったのだが、どうやらファンクラブなるものが存在するほどの人気だそうだ。

皆一様にフロリアを褒め称え、ミレーヌが懐くのも当然だと言う。
大好きな彼女が皆に認められるのは、妹として、またゲームのキャラクターである『フロリア』のファンとしても、嬉しいことこの上ない。
同じく学園に通っている筈の彼女の婚約者であるユーゴの話は驚くほど耳に入ってこないのだが、これは上手く行っていると言うことで良いのだろうか…………?
彼は第一王子なのだから、次期国王、ひいては王太子となる第一候補なのだから、もしかすると、みんなが軽々しく話題にのせないように気をつけているのかもしれない。
話に聞かないということは、良い噂だけではなく、悪い噂も聞こえてこないというのがせめてもの救いだろうか。
上手く行っているに越したことはない。
そもそも巻き込まれたくないのだ。ユーゴがフロリアに心底惚れていれば彼が自分に心変わり(最初から好きでもないのに心変わりという表現が適切かはさておき)する心配もなく、フロリアが断罪されたり、自分が大好きな彼女と引き裂かれるなどということも起こりえないのだ。

休暇ごとに帰省するフロリアは相変わらず優しくて、美しい。
そして、前にも増してどこか輝いているように見えた。
きっと学園での毎日が充実しているのだろう。
会うたびに輝きを増していくフロリアを前に、ミレーヌは自然と学園に通うのが楽しみになりつつあった。
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