【完結】夢から醒めて、真実の

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私のための世界に生まれ変わったと思った。
目覚めたら大好きなゲームのヒロインになっていた。今回の人生は最高なものになると思った。
前世では、所謂『陰キャ』と呼ばれる部類の人間だった。学校に友達もほとんどいなくて、休み時間は本を読んだり絵を描いたりしてばかり。次第に学校から足も遠のき、気付いた時には家にひきこもってゲームばかりしていた。特にハマったのは恋愛シュミレーションゲーム。所謂『乙女ゲーム』だ。
非現実的な世界観に可愛くて優しいヒロイン。
数々のハイスペックイケメン達に言い寄られる事に快感を覚えてのめり込んで行った。
彼氏いない歴＝年齢だった自分も、ゲームの中でだけは引く手数多。あらゆるルートを攻略し尽くした。

本来ならば地道にイベントやらミッションやらをクリアすることで育まれる筈の恋。
でもそんなペースではそのうち満足出来なくなった。
だからこそ利用した課金アイテム。
一足飛びに進むストーリー。
気がついた時には廃課金者と化していた。

転生した時にも、目の前に推しであったクロードがいることを知って狂喜乱舞した。でも、ゲームではただの政略結婚の為の相手だったはずの悪役令嬢とやけに仲がいい。おもしろくなくて、前世『ショップ』であった店にすぐ向かった。
「ルビーの首飾り」こそがこの世界での『課金アイテム』だと直ぐに分かった。
そこからは本当に面白い程簡単に進んで行った。
ゲームのストーリーの通りに進めて、。大筋から外れそうになった時には首飾りをしたまま擦り寄る。
それだけ。
何故かゲームの時ほど自分に攻撃的では無い悪役令嬢は、周りから自分に嫌がらせしているようにみせかければいいだけ。
いとも簡単に進んで行った。
それなのに。
一体私は、どこで間違えたというのだろう。