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23. エピローグ
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その後は慌ただしい毎日だった。
カテリーナはアレクサンドルと一緒に国に戻ったが王宮には戻らず、二人は第二宮殿を居城にした。
ラッシースカヤの長い冬を第二宮殿で過ごした2人だったがカテリーナにはどうしても引っかかることがあった。
「マリア様は良いんですか?」
二人で茶を飲んでまどろんでいる時に切り出した。
アレクサンドルは少し眉を寄せて
「前も言った通りあれはそういうのではないからな。」
と言った。
「でも、一応は妃の称号を戴いている方です。きちんとお話しされたほうが良いかと思います。」
カテリーナがそう言うとウラジーミルも後ろで頷いていた。
「マリア様をこちらにお呼びしましょうか?」
ウラジーミルが声をかける。
「いや、そろそろ春の園遊会もあるし、我々が王宮に戻ろう。」
アレクサンドルのその一言で王宮に戻ることになった。
正式にマリアと対面するのは初めてでカテリーナは少し緊張していた。
学園で遠目で見たマリアはとても可憐で守ってあげなければならないような印象だった。
しかし、実際に会ったマリアは身体こそ華奢で小さいもののパワフルな印象だった。キョロキョロと動く目は好奇心の強さを表しているのだろう。
アレクサンドルは公務があるということで二人で対面することになったから余計に気を揉んだ。
しかし、マリアは今までのことなど気にしていなかったようで、
「私たちいいお友達になれると思いますわ」
とニッコリ微笑んだ。
マリアに付き添っていた従者が焦って横から口を挟んだ。
「マリア様!カテリーナ様失礼します。私はクラフツ侯爵家のヴァシリコと申します。マリア様。コホン。」
そう言ってマリアをギロリと睨むとマリアはこんな事を言い出した。
「カテリーナ様はこれまでの事って気になさってますか?」
ヴァシリコは「な!」と目を白黒させていたが、カテリーナはその様子がなんだかおかしくて話に乗ってみることにした。
「これまでの事って?」
「ヴァシリコは私がカテリーナ様の実家を取り締まるような政策をしたこととか、学園でアレクサンドルがカテリーナ様を蔑ろにしたこととかについて謝ったほうがいいって言うの。でも、元はと言えば不正をはたらいていたカテリーナ様の実家が悪いんだし、何で私が謝らなきゃいけないのかしらって思うのよ。アレクサンドルのこともさ、二人の関係の話で私は関係ないんだと思うのよ。」
「えぇ!?」
思わず声が出てしまった。
マリアはカテリーナの事は何も気にしていないらしい。
「でもね、確かに特定の家にあんまり力を持ってほしくなかったってのはあるのよ。」
そう言ったマリアの目は蛇のようにカテリーナを見つめていた。
「あの、マリアさんは私のことを嫌ってらしたのではないですか。アレクサンドルにいじめられていると訴えたとか。」
「アレクサンドルになんて言われたか知らないけど、私はそんな事言ってないわよ。むしろ逆でカテリーナさんともっと仲良くなりたいのになかなかお近づきになれないって訴えたのよ。あの人、紹介すらしてくれないんだもの。」
「はぁ。」
「多分それをアレクサンドルが勘違いしたのね。私、前々からカテリーナ様は素晴らしい方だと思ってましたの。」
「ええ?」
そんな風に思われているなんて感じた事はなかった。
「カテリーナ様は貴族からも平民からも慕われておいでですもの。」
「平民からはともかく貴族から慕われているとは感じたことがありませんけれど。」
そう言うとマリアはまた蛇のような目をして言った。
「少なくとも私やアレクサンドルよりはカテリーナ様に敬意を持っている者が多いですわ。そして、カテリーナ様もこの国を憂いていらっしゃる。」
「ええ、まぁ、そうですわね。」
「私、密かにカテリーナ様の行動を見ておりました。カテリーナ様の民を思うお気持ちは素晴らしいですわ。だから、カテリーナ様となら志を同じくして王家からこの国を変えていけると思いましたの。カテリーナ様は今の民の状況をどう思われていますか?我が国は土地が悪く、国民全てを賄うほどの小麦も作れない!国民はパンも満足に買えずお腹を空かせている。我々でこの国を共に変えていこうではありませんか!!」
マリアは演説には力があった。話し方なのか身振り手振りなのか、つい話に引き込まれてしまう。
アレクサンドルがマリアを王家に引き入れないと王家が倒されるかもしれないと思ったのも頷ける。
話を聞いてアレクサンドルとマリアの間には何もないというのは本当なのだと感じた。
それでもカテリーナはマリアがアレクサンドルのことをどう思っているのか気になった。
「あの、マリア様はアレクサンドルのことをどう感じておいでですか?」
そう聞くとマリアは残念なものを見るような目でカテリーナを見た。
「不敬に当たるかもしれませんが勘違いされたくないので正直に言います。私から見たアレクサンドルの評価はかなり低いですわ。多分アレクサンドルも私のことを女性だとは思ってないでしょう。私も彼を男だと思った事はないですし。そもそも、どうでもいい感情に流されてカテリーナ様の素晴らしさに気付かず長らく蔑ろになさるところが上に立つものとしてありえません。アレクサンドルが唯一評価できるところは、カテリーナ様のお心を繋ぎ止めることに成功した所ですわ。」
あまりにはっきり言うものだからカテリーナは驚いてしまった。これでは恋は始まりそうにない。
「まぁ。」
カテリーナは驚いてポカンとしてしまう。
「私の見立てではアレクサンドルがカテリーナ様の心をお繋ぎできるのは5パーセントもありませんでしたもの。でも、カテリーナ様がアレクサンドルの事を許してくださって本当によかったですわ。」
マリアはにっこりと笑ったがその目には心なしが侮蔑の念が込められていたような気がする。
「そんな話はどうでもいいですわ。カテリーナ様はポランスキで春植えの小麦を見てこられたとか。詳しく話を聞かせてくださいますか?それに、南から入ってくる新しい文化のことも教えてくださいませ。」
(そんな話)扱いされてしまったアレクサンドルには申し訳ないが、マリアの態度を見てアレクサンドルの言っている事は本当だったのだなと実感できた。
マリアと会う前はどんな人だろうかと不安な思いが勝っていた。しかし数分話しただけでマリアの不思議な魅力とバイタリティにのまれてしまった。彼女は確かに不敬だし言葉遣いもルールも守るつもりはないのだろう。しかし、それすら気にならないほど彼女には何か惹きつけられるものがあった。
そうして、マリアと別れて自室に戻る頃には確かにマリアの言う通り良い友人になれそうだ、と感じていたのだから不思議なものだ。
確かに彼女を王家に取り込んだアレクサンドルの判断は英断だったのかもしれない。
カテリーナはこうやって優しい夫と、夫の側妃ということになっているが政策面で共通の思いを持つ同志であり親友となる女性を手に入れたのだった。
***
カテリーナとマリアが初めて会った日、王宮のとある一室ではこのような会話が繰り広げられていた。
「どうでしたか?カテリーナ様は。」
「素敵な女性だったわ。この王家に必要な方は彼女のような方だわ。彼女は改革の旗になれる。」
「アレクサンドル殿下が彼女の心をお繋ぎできて良かったですね。」
「本当に。私のアドバイス通りに動いていたらあんなに拗れることもなかったのに。あのボンクラ坊ちゃんが勝手に動くから。ほんと、勝手に行動するバカほど使えないものはないわ。でもこれで彼女の弱点もわかったから結果オーライね。彼女は初めての感情に出会った時、情に流されて逃げを選んでしまうタイプのようね。そこで足元を掬われないように我々が注意する必要があるわ。」
「貴族の令嬢ですから考えが甘いのでしょうな。」
「あら、私も貴族の令嬢よ。」
「あはは、貴女は貴族とかそんな枠におさまらないお方でしょう。実際もうすでに王宮に関わっている半分は貴女の思いのままに動いている。しかも、みんな自分の意思でそれを判断したと思っているのだから恐ろしい。」
「うふふ。カテリーナ様も思い通り動いてくれそうだし、これで国を変えるために必要なピースは手に入れたわ。」
カテリーナはアレクサンドルと一緒に国に戻ったが王宮には戻らず、二人は第二宮殿を居城にした。
ラッシースカヤの長い冬を第二宮殿で過ごした2人だったがカテリーナにはどうしても引っかかることがあった。
「マリア様は良いんですか?」
二人で茶を飲んでまどろんでいる時に切り出した。
アレクサンドルは少し眉を寄せて
「前も言った通りあれはそういうのではないからな。」
と言った。
「でも、一応は妃の称号を戴いている方です。きちんとお話しされたほうが良いかと思います。」
カテリーナがそう言うとウラジーミルも後ろで頷いていた。
「マリア様をこちらにお呼びしましょうか?」
ウラジーミルが声をかける。
「いや、そろそろ春の園遊会もあるし、我々が王宮に戻ろう。」
アレクサンドルのその一言で王宮に戻ることになった。
正式にマリアと対面するのは初めてでカテリーナは少し緊張していた。
学園で遠目で見たマリアはとても可憐で守ってあげなければならないような印象だった。
しかし、実際に会ったマリアは身体こそ華奢で小さいもののパワフルな印象だった。キョロキョロと動く目は好奇心の強さを表しているのだろう。
アレクサンドルは公務があるということで二人で対面することになったから余計に気を揉んだ。
しかし、マリアは今までのことなど気にしていなかったようで、
「私たちいいお友達になれると思いますわ」
とニッコリ微笑んだ。
マリアに付き添っていた従者が焦って横から口を挟んだ。
「マリア様!カテリーナ様失礼します。私はクラフツ侯爵家のヴァシリコと申します。マリア様。コホン。」
そう言ってマリアをギロリと睨むとマリアはこんな事を言い出した。
「カテリーナ様はこれまでの事って気になさってますか?」
ヴァシリコは「な!」と目を白黒させていたが、カテリーナはその様子がなんだかおかしくて話に乗ってみることにした。
「これまでの事って?」
「ヴァシリコは私がカテリーナ様の実家を取り締まるような政策をしたこととか、学園でアレクサンドルがカテリーナ様を蔑ろにしたこととかについて謝ったほうがいいって言うの。でも、元はと言えば不正をはたらいていたカテリーナ様の実家が悪いんだし、何で私が謝らなきゃいけないのかしらって思うのよ。アレクサンドルのこともさ、二人の関係の話で私は関係ないんだと思うのよ。」
「えぇ!?」
思わず声が出てしまった。
マリアはカテリーナの事は何も気にしていないらしい。
「でもね、確かに特定の家にあんまり力を持ってほしくなかったってのはあるのよ。」
そう言ったマリアの目は蛇のようにカテリーナを見つめていた。
「あの、マリアさんは私のことを嫌ってらしたのではないですか。アレクサンドルにいじめられていると訴えたとか。」
「アレクサンドルになんて言われたか知らないけど、私はそんな事言ってないわよ。むしろ逆でカテリーナさんともっと仲良くなりたいのになかなかお近づきになれないって訴えたのよ。あの人、紹介すらしてくれないんだもの。」
「はぁ。」
「多分それをアレクサンドルが勘違いしたのね。私、前々からカテリーナ様は素晴らしい方だと思ってましたの。」
「ええ?」
そんな風に思われているなんて感じた事はなかった。
「カテリーナ様は貴族からも平民からも慕われておいでですもの。」
「平民からはともかく貴族から慕われているとは感じたことがありませんけれど。」
そう言うとマリアはまた蛇のような目をして言った。
「少なくとも私やアレクサンドルよりはカテリーナ様に敬意を持っている者が多いですわ。そして、カテリーナ様もこの国を憂いていらっしゃる。」
「ええ、まぁ、そうですわね。」
「私、密かにカテリーナ様の行動を見ておりました。カテリーナ様の民を思うお気持ちは素晴らしいですわ。だから、カテリーナ様となら志を同じくして王家からこの国を変えていけると思いましたの。カテリーナ様は今の民の状況をどう思われていますか?我が国は土地が悪く、国民全てを賄うほどの小麦も作れない!国民はパンも満足に買えずお腹を空かせている。我々でこの国を共に変えていこうではありませんか!!」
マリアは演説には力があった。話し方なのか身振り手振りなのか、つい話に引き込まれてしまう。
アレクサンドルがマリアを王家に引き入れないと王家が倒されるかもしれないと思ったのも頷ける。
話を聞いてアレクサンドルとマリアの間には何もないというのは本当なのだと感じた。
それでもカテリーナはマリアがアレクサンドルのことをどう思っているのか気になった。
「あの、マリア様はアレクサンドルのことをどう感じておいでですか?」
そう聞くとマリアは残念なものを見るような目でカテリーナを見た。
「不敬に当たるかもしれませんが勘違いされたくないので正直に言います。私から見たアレクサンドルの評価はかなり低いですわ。多分アレクサンドルも私のことを女性だとは思ってないでしょう。私も彼を男だと思った事はないですし。そもそも、どうでもいい感情に流されてカテリーナ様の素晴らしさに気付かず長らく蔑ろになさるところが上に立つものとしてありえません。アレクサンドルが唯一評価できるところは、カテリーナ様のお心を繋ぎ止めることに成功した所ですわ。」
あまりにはっきり言うものだからカテリーナは驚いてしまった。これでは恋は始まりそうにない。
「まぁ。」
カテリーナは驚いてポカンとしてしまう。
「私の見立てではアレクサンドルがカテリーナ様の心をお繋ぎできるのは5パーセントもありませんでしたもの。でも、カテリーナ様がアレクサンドルの事を許してくださって本当によかったですわ。」
マリアはにっこりと笑ったがその目には心なしが侮蔑の念が込められていたような気がする。
「そんな話はどうでもいいですわ。カテリーナ様はポランスキで春植えの小麦を見てこられたとか。詳しく話を聞かせてくださいますか?それに、南から入ってくる新しい文化のことも教えてくださいませ。」
(そんな話)扱いされてしまったアレクサンドルには申し訳ないが、マリアの態度を見てアレクサンドルの言っている事は本当だったのだなと実感できた。
マリアと会う前はどんな人だろうかと不安な思いが勝っていた。しかし数分話しただけでマリアの不思議な魅力とバイタリティにのまれてしまった。彼女は確かに不敬だし言葉遣いもルールも守るつもりはないのだろう。しかし、それすら気にならないほど彼女には何か惹きつけられるものがあった。
そうして、マリアと別れて自室に戻る頃には確かにマリアの言う通り良い友人になれそうだ、と感じていたのだから不思議なものだ。
確かに彼女を王家に取り込んだアレクサンドルの判断は英断だったのかもしれない。
カテリーナはこうやって優しい夫と、夫の側妃ということになっているが政策面で共通の思いを持つ同志であり親友となる女性を手に入れたのだった。
***
カテリーナとマリアが初めて会った日、王宮のとある一室ではこのような会話が繰り広げられていた。
「どうでしたか?カテリーナ様は。」
「素敵な女性だったわ。この王家に必要な方は彼女のような方だわ。彼女は改革の旗になれる。」
「アレクサンドル殿下が彼女の心をお繋ぎできて良かったですね。」
「本当に。私のアドバイス通りに動いていたらあんなに拗れることもなかったのに。あのボンクラ坊ちゃんが勝手に動くから。ほんと、勝手に行動するバカほど使えないものはないわ。でもこれで彼女の弱点もわかったから結果オーライね。彼女は初めての感情に出会った時、情に流されて逃げを選んでしまうタイプのようね。そこで足元を掬われないように我々が注意する必要があるわ。」
「貴族の令嬢ですから考えが甘いのでしょうな。」
「あら、私も貴族の令嬢よ。」
「あはは、貴女は貴族とかそんな枠におさまらないお方でしょう。実際もうすでに王宮に関わっている半分は貴女の思いのままに動いている。しかも、みんな自分の意思でそれを判断したと思っているのだから恐ろしい。」
「うふふ。カテリーナ様も思い通り動いてくれそうだし、これで国を変えるために必要なピースは手に入れたわ。」
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