21 / 24
21. アレクサンドルとの再会
しおりを挟む
「カーシャお姉様はこのまま蔑ろにされていいんですか」
カテリーナの思考を遮ったのはイレーナのそんな言葉だった。
少し前までのカテリーナだったら蔑ろにされても問題ないと答えていただろう。
あぁ、そうだ。カテリーナはそうやって矜持を守っていたのだ。
アレクサンドルが告白してくれた夜に受け入れられなかったのもその矜持が邪魔したからだ。受け入れてしまったら今まで自分を守っていたその矜持はどこに行くのだろう。
ずっとそれに追い縋っていたのに。
だから簡単にはいそうですかと受け入れることが出来なかったのだ。
「イレーナもセドリックも勘違いしているわ。多分、私がラッシースカヤに戻ってももう蔑ろにされることはないのよ。だから心配しないで。」
「嘘!」
確かに外から見ているとそう簡単に信じられないだろう。二人が離宮で逢瀬を重ねていたことを知る者は少ない。
アレクサンドルがカテリーナに告白したと知るのは二人だけだ。
「噂ではアレクサンドルが私を蔑ろにしていたと、そうなっているかもしれないけれど、歩み寄らなかったのは私も同じだわ。
もしかすると私、ずっと逃げていたのかもしれないわ。でもね、イレーナ。あなたを見ていて私も努力するべきだと思ったの。」
「それでまた蔑ろにされたら。カーシャお姉様はそれでいいのですか?」
イレーナはカテリーナが蔑ろにされると思い込んでいるようだ。
「蔑ろにされるのは望まないけれど、そうならないように努力してみようかと思うのよ。大丈夫。アレクサンドル殿下はイレーナが思っているような方ではないわ。」
そう言いながらアレクサンドルの湖畔での態度を思い出していた。
彼の言葉はいつも優しかった。湖畔を散歩する時にエスコートしてくれたが、カテリーナの目が見えないことを配慮してくれていた。
カテリーナが蔑ろにされていた事に怒ってくれたのも彼だった。
あの時の怒りは彼自身に向けた自責の念だったのかもしれない。
そんなことを考えていると少し頬が緩んでしまうのがわかった。
「カーシャお姉様。もしかして・・・」
イレーナが驚いたような顔をした。
「どうしたの?」
「あんなに蔑ろにされてきたのに、まだお慕いされているのですか?」
イレーナが少しかわいそうなものを見るような目でこちらを見てくる。
カテリーナはにこりと笑って言った。
「私も蔑ろにされていた頃はアレクサンドル殿下のことなんてどうでもいいと思っていたのよ。正直、接点もあまりなかったしね。でも、彼の人となりを知る機会があって少し見直したの。多分殿下は変わられたのよ。次は私が変わる番だわ。」
カテリーナがそう言った時、垣根から人影が現れた。
「カテリーナは何も変わる必要などない。」
現れたのはアレクサンドルだった。カテリーナと対になるような藤色の軍服を着ていた。
カテリーナの記憶にある顔よりは少し頬が痩け、精悍な顔つきになっている。
眼鏡をかけて一番見たかった顔がそこにあった。
「殿下!」
どこから話を聞いていたのだろうか。
カテリーナは驚き、弾けたように立ち上がった。
すると、アレクサンドルはカテリーナの元まで来ると跪きカテリーナの手を取った。
「カテリーナ、今日のパーティで君をエスコートさせてくれないだろうか。」
アレクサンドルの手は相変わらず剣ダコだらけでゴツゴツしていた。湖畔でカテリーナをエスコートしてくれた時と何も変わらない手だった。
「はい、喜んで。」
カテリーナがそう答えた時、アレクサンドルはカテリーナの手を強く握った。
「俺は君に言わなくてはならないことが沢山ある。でもまずはこの言葉を贈らせてほしい。愛している。」
アレクサンドルが立ち上がりカテリーナと鼻と鼻がつきそうなくらい近くに顔を近づけてそんなことを言った。
「俺はたくさん、君に謝らなくてはいけない」
カテリーナを見つめる目がとても真剣だった。
ずっとカテリーナが眼鏡を通して見たいと思っていた顔がそこにあった。
「そんな、謝るなんて・・・」
「いいや、謝ることだらけだ。あの時、自分の思いのまま気持ちをぶつけてしまったことも、君の合意を取らずに強引にキスした事も偽名を使っていた事もそれを黙っていた事も。もっと言えばその前に君と向き合わなかった事も含めて全て」
「でも。あなたは」
カテリーナはアレクサンドルが謝ったことに戸惑っていた。王族は言い訳してはいけない。ましてや謝罪をするのは国の威信がかかっている時だけ。
王妃教育でそう習っていたからだ。
アレクサンドルはカテリーナが何を言いたいのか何を思っているのかわかったらしい。
首を横にふるとこう呟いた。
「今は王族としてではなく一人の男としての言葉だと思ってほしい。愛しい女性に愛の言葉をささやく事も満足にできない哀れな男の言葉だと。」
アレクサンドルの眼は相変わらず真剣で、でも瞳の奥に優しさが溢れていた。
アレクサンドルがアリフレートとしてカテリーナに会いに来ていた時にもこんな眼をしていてくれたのだろうか。
「もちろん、謝罪を受け入れますわ。」
カテリーナの心臓は口から飛び出そうなほどドキドキしていたが、なんとか言葉を紡ぐことができた。アレクサンドルはカテリーナを抱きしめてくれた。
「で、殿下、イレーナが居りますし、このような場ではお控えください」
アレクサンドルはカテリーナを名残惜しそうに離した。
イレーナは急展開についていけず目を白黒させている。
アレクサンドルは初めてイレーナに気付いたという様子でイレーナを見た。
「はじめまして。ラッシースカヤ国の王太子アレクサンドルです。」
「アレクサンドル様はじめまして。リンツ公爵家が娘、イレーナにございます。」
イレーナのカテシーはとても綺麗に決まっていた。
こういう時、嫡子の嫁も娘として名乗るのがこの国の礼儀である。
「ポランスキではカテリーナが世話になったと聞いている」
「いえ、お世話になったのはむしろ私の方です。」
難しい姿勢をキープしながらイレーナが話した。
体は全くブレていない。カテリーナはイレーナが成長していることに少し感動していた。
「カテリーナと積もる話があるのだ。呼び出しがかかるまでカテリーナを私の控室に連れていっても良いだろうか。」
「もちろんです。」
返事を聞くとアレクサンドルはカテリーナの手を引き、先ほど来たのとは違う道で王宮に向かった。
久しぶりに見たアレクサンドルの顔は幼い頃の面影が残っていた。
いつからアレクサンドルの顔を見なくなっただろうか。
目が悪くなり視界がぼやける前からカテリーナはアレクサンドルのことをきちんと見ていなかった。
彼だって髪を下ろしただけでカテリーナを認識できなかったのだ。似たようなものだろう。
顔を見ているとアレクサンドルの額に古傷をみつけた。学園に入学した頃にはなかった傷である。
「どうしたの?」
カテリーナが顔をまじまじと見つめるからだろうか。アレクサンドルがそんなことを聞いてくる。
「ここに、傷が。」
そう言って歩きながら額に手を伸ばす。
いつ出来た傷なのだろうか。アレクサンドルに傷が出来たとなると少なからず話題になるはずである。
しかし、そんな話は聞いたこともなかった。
側妃マリアはアレクサンドルの傷について知っているのだろうか。
カテリーナはアレクサンドルについて何も知らないということを思い知らされた。
「あぁ、これか。」
アレクサンドルはそう言って自身の額に手を伸ばした。
「学園時代の剣術の模擬戦でついたものですか?」
アレクサンドルがこのような傷をつけるなどそのくらいしか考えられなかった。
「いや、これは、そんなに古い傷ではない。君を王宮から追い出した時に母上に付けられた傷なんだ。」
アレクサンドルはバツが悪そうな顔で傷を撫でる。
そうこうしているうちにアレクサンドルの控え室に到着したらしい。
部屋の前に控えていた兵士が扉を開けてくれた。二人は部屋の中に入っていった。
カテリーナの思考を遮ったのはイレーナのそんな言葉だった。
少し前までのカテリーナだったら蔑ろにされても問題ないと答えていただろう。
あぁ、そうだ。カテリーナはそうやって矜持を守っていたのだ。
アレクサンドルが告白してくれた夜に受け入れられなかったのもその矜持が邪魔したからだ。受け入れてしまったら今まで自分を守っていたその矜持はどこに行くのだろう。
ずっとそれに追い縋っていたのに。
だから簡単にはいそうですかと受け入れることが出来なかったのだ。
「イレーナもセドリックも勘違いしているわ。多分、私がラッシースカヤに戻ってももう蔑ろにされることはないのよ。だから心配しないで。」
「嘘!」
確かに外から見ているとそう簡単に信じられないだろう。二人が離宮で逢瀬を重ねていたことを知る者は少ない。
アレクサンドルがカテリーナに告白したと知るのは二人だけだ。
「噂ではアレクサンドルが私を蔑ろにしていたと、そうなっているかもしれないけれど、歩み寄らなかったのは私も同じだわ。
もしかすると私、ずっと逃げていたのかもしれないわ。でもね、イレーナ。あなたを見ていて私も努力するべきだと思ったの。」
「それでまた蔑ろにされたら。カーシャお姉様はそれでいいのですか?」
イレーナはカテリーナが蔑ろにされると思い込んでいるようだ。
「蔑ろにされるのは望まないけれど、そうならないように努力してみようかと思うのよ。大丈夫。アレクサンドル殿下はイレーナが思っているような方ではないわ。」
そう言いながらアレクサンドルの湖畔での態度を思い出していた。
彼の言葉はいつも優しかった。湖畔を散歩する時にエスコートしてくれたが、カテリーナの目が見えないことを配慮してくれていた。
カテリーナが蔑ろにされていた事に怒ってくれたのも彼だった。
あの時の怒りは彼自身に向けた自責の念だったのかもしれない。
そんなことを考えていると少し頬が緩んでしまうのがわかった。
「カーシャお姉様。もしかして・・・」
イレーナが驚いたような顔をした。
「どうしたの?」
「あんなに蔑ろにされてきたのに、まだお慕いされているのですか?」
イレーナが少しかわいそうなものを見るような目でこちらを見てくる。
カテリーナはにこりと笑って言った。
「私も蔑ろにされていた頃はアレクサンドル殿下のことなんてどうでもいいと思っていたのよ。正直、接点もあまりなかったしね。でも、彼の人となりを知る機会があって少し見直したの。多分殿下は変わられたのよ。次は私が変わる番だわ。」
カテリーナがそう言った時、垣根から人影が現れた。
「カテリーナは何も変わる必要などない。」
現れたのはアレクサンドルだった。カテリーナと対になるような藤色の軍服を着ていた。
カテリーナの記憶にある顔よりは少し頬が痩け、精悍な顔つきになっている。
眼鏡をかけて一番見たかった顔がそこにあった。
「殿下!」
どこから話を聞いていたのだろうか。
カテリーナは驚き、弾けたように立ち上がった。
すると、アレクサンドルはカテリーナの元まで来ると跪きカテリーナの手を取った。
「カテリーナ、今日のパーティで君をエスコートさせてくれないだろうか。」
アレクサンドルの手は相変わらず剣ダコだらけでゴツゴツしていた。湖畔でカテリーナをエスコートしてくれた時と何も変わらない手だった。
「はい、喜んで。」
カテリーナがそう答えた時、アレクサンドルはカテリーナの手を強く握った。
「俺は君に言わなくてはならないことが沢山ある。でもまずはこの言葉を贈らせてほしい。愛している。」
アレクサンドルが立ち上がりカテリーナと鼻と鼻がつきそうなくらい近くに顔を近づけてそんなことを言った。
「俺はたくさん、君に謝らなくてはいけない」
カテリーナを見つめる目がとても真剣だった。
ずっとカテリーナが眼鏡を通して見たいと思っていた顔がそこにあった。
「そんな、謝るなんて・・・」
「いいや、謝ることだらけだ。あの時、自分の思いのまま気持ちをぶつけてしまったことも、君の合意を取らずに強引にキスした事も偽名を使っていた事もそれを黙っていた事も。もっと言えばその前に君と向き合わなかった事も含めて全て」
「でも。あなたは」
カテリーナはアレクサンドルが謝ったことに戸惑っていた。王族は言い訳してはいけない。ましてや謝罪をするのは国の威信がかかっている時だけ。
王妃教育でそう習っていたからだ。
アレクサンドルはカテリーナが何を言いたいのか何を思っているのかわかったらしい。
首を横にふるとこう呟いた。
「今は王族としてではなく一人の男としての言葉だと思ってほしい。愛しい女性に愛の言葉をささやく事も満足にできない哀れな男の言葉だと。」
アレクサンドルの眼は相変わらず真剣で、でも瞳の奥に優しさが溢れていた。
アレクサンドルがアリフレートとしてカテリーナに会いに来ていた時にもこんな眼をしていてくれたのだろうか。
「もちろん、謝罪を受け入れますわ。」
カテリーナの心臓は口から飛び出そうなほどドキドキしていたが、なんとか言葉を紡ぐことができた。アレクサンドルはカテリーナを抱きしめてくれた。
「で、殿下、イレーナが居りますし、このような場ではお控えください」
アレクサンドルはカテリーナを名残惜しそうに離した。
イレーナは急展開についていけず目を白黒させている。
アレクサンドルは初めてイレーナに気付いたという様子でイレーナを見た。
「はじめまして。ラッシースカヤ国の王太子アレクサンドルです。」
「アレクサンドル様はじめまして。リンツ公爵家が娘、イレーナにございます。」
イレーナのカテシーはとても綺麗に決まっていた。
こういう時、嫡子の嫁も娘として名乗るのがこの国の礼儀である。
「ポランスキではカテリーナが世話になったと聞いている」
「いえ、お世話になったのはむしろ私の方です。」
難しい姿勢をキープしながらイレーナが話した。
体は全くブレていない。カテリーナはイレーナが成長していることに少し感動していた。
「カテリーナと積もる話があるのだ。呼び出しがかかるまでカテリーナを私の控室に連れていっても良いだろうか。」
「もちろんです。」
返事を聞くとアレクサンドルはカテリーナの手を引き、先ほど来たのとは違う道で王宮に向かった。
久しぶりに見たアレクサンドルの顔は幼い頃の面影が残っていた。
いつからアレクサンドルの顔を見なくなっただろうか。
目が悪くなり視界がぼやける前からカテリーナはアレクサンドルのことをきちんと見ていなかった。
彼だって髪を下ろしただけでカテリーナを認識できなかったのだ。似たようなものだろう。
顔を見ているとアレクサンドルの額に古傷をみつけた。学園に入学した頃にはなかった傷である。
「どうしたの?」
カテリーナが顔をまじまじと見つめるからだろうか。アレクサンドルがそんなことを聞いてくる。
「ここに、傷が。」
そう言って歩きながら額に手を伸ばす。
いつ出来た傷なのだろうか。アレクサンドルに傷が出来たとなると少なからず話題になるはずである。
しかし、そんな話は聞いたこともなかった。
側妃マリアはアレクサンドルの傷について知っているのだろうか。
カテリーナはアレクサンドルについて何も知らないということを思い知らされた。
「あぁ、これか。」
アレクサンドルはそう言って自身の額に手を伸ばした。
「学園時代の剣術の模擬戦でついたものですか?」
アレクサンドルがこのような傷をつけるなどそのくらいしか考えられなかった。
「いや、これは、そんなに古い傷ではない。君を王宮から追い出した時に母上に付けられた傷なんだ。」
アレクサンドルはバツが悪そうな顔で傷を撫でる。
そうこうしているうちにアレクサンドルの控え室に到着したらしい。
部屋の前に控えていた兵士が扉を開けてくれた。二人は部屋の中に入っていった。
122
お気に入りに追加
2,690
あなたにおすすめの小説

人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
君のためだと言われても、少しも嬉しくありません
みみぢあん
恋愛
子爵家の令嬢マリオンの婚約者、アルフレッド卿が王族の護衛で隣国へ行くが、任期がながびき帰国できなくなり婚約を解消することになった。 すぐにノエル卿と2度目の婚約が決まったが、結婚を目前にして家庭の事情で2人は…… 暗い流れがつづきます。 ざまぁでスカッ… とされたい方には不向きのお話です。ご注意を😓


【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。

手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

【完結】貴方の望み通りに・・・
kana
恋愛
どんなに貴方を望んでも
どんなに貴方を見つめても
どんなに貴方を思っても
だから、
もう貴方を望まない
もう貴方を見つめない
もう貴方のことは忘れる
さようなら

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる