溺愛攻めと可愛い受けのSS集

わさび

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高校生

お金持ちの娯楽

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学園屈指の御曹司である三宅悠はお金持ちすぎて暇らしい


「飛鳥、帰ろう」


放課後、今日もまた彼は律儀に僕の席までやってきた彼。


本当に暇なのか?


いや、すでにがっつり仕事に関わっているというからそんなはずはないんだけど。



「最近クレープのワゴンが駅前に来てるらしいよ」


庶民の生活が気になっているのかと思ってこうして彼が迎えに来るたびに僕は遊び場所を提案するんだ。


「クレープ?
へぇ、じゃあ食べに行こうよ」



そう言いながら悠はスッと僕の手を握って歩き始める。


彼がハマっていること、

それは“恋人ごっこ”だ



何故か僕と悠は付き合っている。



放課後、呼び出されてこれまであまり関わりの無かった悠から告白された時はビックリしたけれどきっと一時の気の迷いだと思っている。


ほら、芸能人がイケメンに飽きるみたいに、お金持ちの生活に飽きて刺激を求めていたに違いない。


このごっこ遊びで唯一困っているのは元々悠の王子様のような顔がタイプだったのもあって僕がガチ恋してしまったことかな。

僕を優先してくれたり微笑みかけてくれたりするたびにキュンとしてしまうんだ...


____________________


駅に着くとクレープのワゴンが来ていたので1つ買って2人で分けて食べた。

柔らかい生地を口に詰め込んでいると“クリーム付いてるよ”と唇ギリギリにキスされる。


~~~ッッ!!!好き!!!!


「そういえばもうすぐ卒業だね」


キスをしてもなんてことないように普通に話し出した悠はやっぱり手慣れているのだろうか...なんて煩悩だらけの僕はすぐ変なことを考えてしまって嫌になる...



「だね~あっという間だった」


「来週から学校休みだから物件見に行こうね。あすが寝坊しても大丈夫なように迎えにいくから」


「........え?」


「え?何?あぁ、同棲の話まだだったっけ」



ドウセイ???



「僕達同じ大学に行くじゃん?
だったら一緒に住んだ方が家賃安くなるし毎日一緒にいられるしで良いこと尽くめだなって思わない?」


「思うけど....
悠、女の子お持ち帰りし辛くなるけど良いの?」


「は?どうして僕がそんなことするの。
もしかして飛鳥、僕と別れる予定なの?」


一緒に住むのは嬉しい、
けれどもし悠が他の子に本気になった時不便じゃないのかな?って思って軽く聞いたら初めて悠に睨まれてしまった。


「別れるっていうか、悠が飽きたら
...「それはない」え?」


「僕は飛鳥のことが好きだし飛鳥は僕のことが好きでしょ?
じゃあ別に何の問題もなくない?
だって僕達は付き合ってるんだから」


「そっか....?」


悠の言葉には謎の説得力があるから
“あれ?なんで悩んでたんだっけ?”
って自分でも分からなくなってきちゃったよッ!?



「飛鳥は一人で何か難しく考えすぎてるんじゃない?」


悠は、さっきまで皺が寄ってた眉を今度は困ったように下げながら僕の頭を撫でてくれる。


確かに一人で勝手に推測して勝手に結論付けてしまっていたかもしれない。。。




「ごめん」


「ううん。
じゃああすが何考えてるのか、何が不安なのか教えて?」




こういうところだよ悠....


ちゃんとこっちの意見も聞いてくれる優しさにまた惚れ直してしまったじゃないか



「悠はお金持ちでしょ?
だから僕みたいな庶民とは遊びで付き合ってるんだと思ってたんだ」


改めて言葉に出してみると結構ひどくない?



マレッジブルーになる人ってこんな感じなのかな



「そう思われてたんだね...
不安にさせてごめん。
でも遊びの一環で好きでもない子にキスなんてしないよ」


「確かに...」


みんなの前で手を繋いだりとか普通にキスもしてたしなぁ...
僕だって、好きじゃない人にキスなんて出来ない。


クレープを噛み締めるごとに段々幸せな気持ちが込み上げてきた。


「ってことは僕たち両思い!?」


「あははっ
その反応は普通告白の時のするんだよ」



両思い...

悠も僕のことが好き...!!


夢みたいだ!!!



「じゃあ同棲したらもっとイチャイチャできる?」



言ってきますのキスとか、セックスとか、、、


煩悩にクラクラしていると意味深に笑った悠にチュッと軽くキスされた。




「ふふ、楽しみだね」



「~~ッッ!うん...!」




身分違いの恋かと思ってたけど、そんなことなかったんだ。
今まで線引きしていた分積極的に行こうと僕は鼻息を荒げたのであった。











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