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夫夫編
ルカの近況
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僕は今、レオと一緒に王宮に来ている。
一通りダリフの件が片付いたルカに余裕ができたらしくお茶を飲もうと手紙が来たんだ。
「あ!ルカ、久しぶり。」
「ルカ様お久しぶりです。」
「2人とも久しぶり。
ユキル、そんなにかしこまらなくていいよ。ここは私たち以外誰も来ないからね」
現れたルカはなんだか顔がやつれているようだった。
「公務、大変みたいだね」
席についてすぐに甘いチョコに手を伸ばしたルカにレオが話しかける。
「あぁ...落ち着いてきた方なんだけどね。
そういえば私の婚約者が決まったよ」
「もしかしてマリ?」
マリ???
レオの口から出てきた名前に首を傾げる。
「そう、本人は嫌みたいだけど。」
ルカの婚約者はレオとも知り合いみたいだけど“マリ”って誰だろうか...と猛スピードで脳内の貴族帳簿を捲る。
「マリ...って公爵家のマリ・マーケスト様ですか」
「うん。
彼はレオと同じく私の幼馴染なんだ。
レオが王家に嫁ぐって決まっていたからマリは自由だと思って生活していたのに今になって堅苦しい王妃の座が回ってきたから駄々を捏ねてね。」
「でもマリ様は優等生のイメージがありますけど」
マリ様は一つ下の学年だけど学園の試験で毎回1位であることはすごく有名な話なんだ。
そんな優秀な彼が王妃にならなければ誰がなるんだってなるのにまさかの嫌がってるとか意外かも。
「身内には自由奔放に振る舞うからかな。
まぁ仕事はしっかりこなしてくれるし愚痴も可愛いものだよ。」
「そうなんですね。。。」
うーん。
ルカはマリ様のことが好きなのかな?
性の不一致があるとはいえルカはレオのことが好きなんじゃないのか心配になってしまう。
マリ様と政略結婚じゃなくて恋愛結婚だったら良いのに...と思いながらお茶を飲んでいるとルカが突然笑い出した。
「ユキルは私がレオのことを好きだと勘違いしてるね?
そんな不安そうな顔をしなくていいんだよ。
私は幼い頃からマリに一途なんだ」
「え...!?そうなんですか」
どうやら顔に出ていたらしい。
貴族として僕はまだまだだな...
「手応えはないけどね~」
あっけらかんと笑っているルカの目に光は無くて“マリ様も大変だな”と思わず同情してしまった。
ルカはマリ様のことが好きってことはストーリー変わりすぎじゃない??
とりあえずルカがレオを略奪しにくる可能性はゼロって分かって嬉しい。
あからさまにホッとしたのがバレたのかレオの手が伸びてきてムニューっと頬を引っ張られた。
「僕はこんなにユキのことが好きなのに...
伝わってなかったかな...」
そんなことないとブンブン頭を振っていると絶対に面白がっているルカが余計な一言を言ってきた。
「それなら今夜しっかり分からせてあげればいいじゃないか」
次の日、腰が立たなくなって
絶対腹黒王子のせいだと恨みながらベッドの上で一日中仕事をする羽目になりましたとさ....
___________________
新しい話を更新しました。
「両性具有がバレたら何故か大好きな幼馴染とセックスできちゃった話」
1話完結です。
ぜひ読んでくださると嬉しいです...!!
一通りダリフの件が片付いたルカに余裕ができたらしくお茶を飲もうと手紙が来たんだ。
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現れたルカはなんだか顔がやつれているようだった。
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レオが王家に嫁ぐって決まっていたからマリは自由だと思って生活していたのに今になって堅苦しい王妃の座が回ってきたから駄々を捏ねてね。」
「でもマリ様は優等生のイメージがありますけど」
マリ様は一つ下の学年だけど学園の試験で毎回1位であることはすごく有名な話なんだ。
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「そうなんですね。。。」
うーん。
ルカはマリ様のことが好きなのかな?
性の不一致があるとはいえルカはレオのことが好きなんじゃないのか心配になってしまう。
マリ様と政略結婚じゃなくて恋愛結婚だったら良いのに...と思いながらお茶を飲んでいるとルカが突然笑い出した。
「ユキルは私がレオのことを好きだと勘違いしてるね?
そんな不安そうな顔をしなくていいんだよ。
私は幼い頃からマリに一途なんだ」
「え...!?そうなんですか」
どうやら顔に出ていたらしい。
貴族として僕はまだまだだな...
「手応えはないけどね~」
あっけらかんと笑っているルカの目に光は無くて“マリ様も大変だな”と思わず同情してしまった。
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あからさまにホッとしたのがバレたのかレオの手が伸びてきてムニューっと頬を引っ張られた。
「僕はこんなにユキのことが好きなのに...
伝わってなかったかな...」
そんなことないとブンブン頭を振っていると絶対に面白がっているルカが余計な一言を言ってきた。
「それなら今夜しっかり分からせてあげればいいじゃないか」
次の日、腰が立たなくなって
絶対腹黒王子のせいだと恨みながらベッドの上で一日中仕事をする羽目になりましたとさ....
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