今流行りの悪役令息が真のヒロインなゲームに尻軽ヒロイン(偽)として転生してしまった

わさび

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パーティーの再開

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呆気なく断罪が終わった。

ダリフは抵抗することなく、少し悲しそうな顔をしただけだった。


大人しく連れていかれるダリフの背中を見送っていると、ルカが手を2回叩いた。



「皆さん、お騒がせして申し訳ありませんでした。
パーティーを再開しましょう。
お詫びとしていくつか新しいジュースも追加するので、残りの時間を楽しんでいただきたい。」




ザワザワザワ


ルカの言葉を合図にオーケストラも再開し賑やかさが戻ってきた。


「無事に終わったね」



隣に立っていたレオがスパークリングジュースを僕に渡しながら声を掛けてきた。



「おわった。。。?」



全部終わったのか?

僕は断罪を免れて今ここにいるのか?


「よか、った.....!」


あれ?
涙がボロボロ溢れてくる。


不安だったんだ。

どこかでみんなの様子が豹変したらどうしようって。


強制力が働いて、僕の言葉は誰にも届かない。

朝起きて、
そんな世界に変わってたらどうしようって。
玄関を開けたら世界が変わってるんじゃないかって。



本当は心の隅で何をするにも怯えていたんだ。


「ぼく、がんばった。」


「うん。ユキはよく頑張ったよ。」


レオの言葉が脳に甘く溶けていく。



あぁ、ゆっくりしたい。


ゆっくりしたいよ。


無事に乗り越えた今、
心が悲鳴をあげている。


力を振り絞ってジュースを一気に飲み干すと、喉がカッとした後爽やかになった。


「美味しい?
サンドウィッチも食べる?」


レオが僕の腰に手を回しながら尋ねる。
腰に力がうまく入らないからありがたいなーなんて段々回らなくなってきた頭で考える。



「おいしい.....んぅ」




そこからの記憶が、ない。




いつの間にか僕は会場で寝てしまっていた。
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