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急展開!?
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「何を言っているのですか?
そのようなことした覚えはありません。」
心当たりはあるが実際やったわけでは無いからね。
僕が言い切ると気まずい沈黙が流れた。
「「...............」」
レオの方を向くとバチッと目があってニッコリ笑いかけられた。
いやいや、助けてよ
「..........はぁ。
驚かせちゃってごめんね。
君が潔白なことは知っているよ。
しかし、ダリフが最近君とレオに関係する不穏な計画を立てているようでね。不思議じゃないか。
何か知ってることはある?」
さっきはちょっと僕に葉っぱをかけてみただけらしい。
「それって婚約破棄、とかですか」
ルカの鋭い視線に射抜かれ黙っているのがキツくて恐る恐る尋ねる。
「そうだとしたら?」
僕を試すような言い方ばっかりだなー。
ちなみにレオは緊張した空気の中マカロンを食べていた。
呑気!!!
レオは意外と甘い物好きだからなぁ。
「ダリフ様の計画にレオと俺が関わっているということは、レオと婚約破棄して俺と婚約しようとしてるってことですか?」
「そういうことになるね。」
あっさり肯定されてしまった。
でも、どうしてそんな計画が?
「ダリフ様とはあまり関わったことがありません。
なのにどうして俺と婚約するのでしょうか...。
身に覚えもない計画に巻き込まれるのはごめんです。
2人は計画に対する措置を取られる準備を...?」
ルカとレオは逆断罪のために様々な証拠を持っている、または探している最中のはずだ。
「そうだね。
君はダリフの婚約者になりたいかい?」
「絶対に嫌です!!!
あ、すみません。。。」
嫌すぎて即座に大きな声で否定してしまった。
ふ、不敬罪とか大丈夫だよね...????
人形のように整った顔で“そうか”と呟いたルカ。
ダリフとは全然似てないよね~
ダリフは父似だけどルカは母似っぽい。
彼の顔をじっと観察していると、レオが僕の顔をグイッと自分の方へ向けた。
さりげなくほっぺたムニムニするな!!
「へほー(レオー)ほっへやへて(ほっぺやめて)」
「ぷっくく...!!」
「わらふな!!」
「ごめんごめん。
ね、ユキのこと僕たちが守ってあげようか。」
今度は僕の髪を撫でながら聞いてくる。
今日はワックスじゃなくてヘアオイルを付けただけだからサラサラなんだ。
「是非お願いしたい」
「分かった。
ユキが寝取りなんてしない子なのはちゃんと知ってるからね。
じゃああっちの大まかな計画とこっちの仕返しについて教えようかな。」
そうしてレオが教えてくれたのは、
大体ゲーム通りの内容だった。
ダリフは秋にある学園祭の後夜祭パーティーの場でレオとの婚約破棄を言い渡しいじめの加害者であることを理由にレオを平民に落とす。
そして同時にユキルに婚約を申し込む。
レオは王族の影をつけている。
そして驚いたのが、
なんと僕にも影が付いているらしい。
レオには
「彼らも魅了は効かないからね」
と言われたが僕だって影に魅了をかける勇気はない。
レオには影の記録がある。
嘘をついているかもしれないダリフ側の証言者よりこちらの方が信憑性がある。
これにて解決だが、
今までの言い分からダリフがユキルに気を持っていることが分かり、これはダリフに誠意がないとしてこっちから婚約破棄を申し出る、ということらしい。
もしダリフが
「そいつが誘惑してきたんだ!!」
と僕に免罪をかけようとしても、
バングルの記録が王室の研究所に残っていて、魅了については無罪を明らかに出来る。
そして僕は教室外ではレオと一緒にいた為レオ付きの兵士や、資料室でのことはダリフ付きの兵士からも証言が取れる。
兵士たちは王家に忠誠を誓っていて嘘をつくことは出来ないから大丈夫なんだって。
「それで、無事断罪が終わった後はパーティーを再開する予定だ。」
「なるほど...
それでそのあとルカ様とレオは婚約するってことかぁ。
スッキリ!めでたしめでたしだな~!!
俺も結婚式に呼んでくれよ?」
完璧な計画を聞いて嬉しくてフワフワな気持ちになった僕がそう言うと2人がシーンとなった。
え、何かまずいことで...
あ!!!
2人はまだ気持ちを伝え合っていないのか!!!
やってしまったぁ.........
段々血の気が引いていくのが分かる。
ゆっくりと顔を上げて2人を見ると、固まっていた。
ごめんルカ、
プロポーズの準備をしていただろうに。。。
そう心の中で土下座していると、
ルカの頬がピクピクと上に上がって笑い出した。
レオは“はぁ...”と大きなため息を吐いている。
「ぷッッ!はははは!!!
ユキル、お前知らないのか?」
ん?何を???
急に空気が緩んで戸惑っていると、
レオにちょいちょいと“耳を貸せ”のジェスチャーをされた。
「え?どういうこと?」
「だーかーらー。
僕もルカもタチなんだよ?
結婚なんてするわけないじゃん」
は??????
主人公のレオがタチだって!?!?!?
「そんな訳ッッ!?
じゃあダリフ...様が???」
あの男前な顔のダリフがネコ....?
若干ショックを受けながら尋ねると、これまたルカが大笑いし始め、レオの口角も見たことないほど上がっている。
「いや、あの人もタチだよ。
元々性的趣向が合わないから婚約破棄したかったんだ。
まぁかといって“断罪”という僕が汚名を被る形での破棄はしたくはないけどね~。」
もしかして、レオに関して何か勘違いしているのかも知れない。
頭が真っ白になっていると追い打ちをかけるようにレオが僕の太ももを撫でた。
「それで、ユキはネコでしょ?
ここにいたら食べられちゃうよ?」
「ヘ....!?!?」
目の前にいる、見たこともない“オス”のレオに恐怖を覚えて身体が勝手に椅子から立ち上がった。
鼓動がドクドクと速くなる。
逃げなきゃと本能が叫び、僕は出口に向かって走り出した。
「転けないようにね~」
後ろからそんな声が聞こえたが無視して、王族に挨拶もしないまま僕は走って寮に向かった。
い、一体何が起きてるんだ!?!?!?
そのようなことした覚えはありません。」
心当たりはあるが実際やったわけでは無いからね。
僕が言い切ると気まずい沈黙が流れた。
「「...............」」
レオの方を向くとバチッと目があってニッコリ笑いかけられた。
いやいや、助けてよ
「..........はぁ。
驚かせちゃってごめんね。
君が潔白なことは知っているよ。
しかし、ダリフが最近君とレオに関係する不穏な計画を立てているようでね。不思議じゃないか。
何か知ってることはある?」
さっきはちょっと僕に葉っぱをかけてみただけらしい。
「それって婚約破棄、とかですか」
ルカの鋭い視線に射抜かれ黙っているのがキツくて恐る恐る尋ねる。
「そうだとしたら?」
僕を試すような言い方ばっかりだなー。
ちなみにレオは緊張した空気の中マカロンを食べていた。
呑気!!!
レオは意外と甘い物好きだからなぁ。
「ダリフ様の計画にレオと俺が関わっているということは、レオと婚約破棄して俺と婚約しようとしてるってことですか?」
「そういうことになるね。」
あっさり肯定されてしまった。
でも、どうしてそんな計画が?
「ダリフ様とはあまり関わったことがありません。
なのにどうして俺と婚約するのでしょうか...。
身に覚えもない計画に巻き込まれるのはごめんです。
2人は計画に対する措置を取られる準備を...?」
ルカとレオは逆断罪のために様々な証拠を持っている、または探している最中のはずだ。
「そうだね。
君はダリフの婚約者になりたいかい?」
「絶対に嫌です!!!
あ、すみません。。。」
嫌すぎて即座に大きな声で否定してしまった。
ふ、不敬罪とか大丈夫だよね...????
人形のように整った顔で“そうか”と呟いたルカ。
ダリフとは全然似てないよね~
ダリフは父似だけどルカは母似っぽい。
彼の顔をじっと観察していると、レオが僕の顔をグイッと自分の方へ向けた。
さりげなくほっぺたムニムニするな!!
「へほー(レオー)ほっへやへて(ほっぺやめて)」
「ぷっくく...!!」
「わらふな!!」
「ごめんごめん。
ね、ユキのこと僕たちが守ってあげようか。」
今度は僕の髪を撫でながら聞いてくる。
今日はワックスじゃなくてヘアオイルを付けただけだからサラサラなんだ。
「是非お願いしたい」
「分かった。
ユキが寝取りなんてしない子なのはちゃんと知ってるからね。
じゃああっちの大まかな計画とこっちの仕返しについて教えようかな。」
そうしてレオが教えてくれたのは、
大体ゲーム通りの内容だった。
ダリフは秋にある学園祭の後夜祭パーティーの場でレオとの婚約破棄を言い渡しいじめの加害者であることを理由にレオを平民に落とす。
そして同時にユキルに婚約を申し込む。
レオは王族の影をつけている。
そして驚いたのが、
なんと僕にも影が付いているらしい。
レオには
「彼らも魅了は効かないからね」
と言われたが僕だって影に魅了をかける勇気はない。
レオには影の記録がある。
嘘をついているかもしれないダリフ側の証言者よりこちらの方が信憑性がある。
これにて解決だが、
今までの言い分からダリフがユキルに気を持っていることが分かり、これはダリフに誠意がないとしてこっちから婚約破棄を申し出る、ということらしい。
もしダリフが
「そいつが誘惑してきたんだ!!」
と僕に免罪をかけようとしても、
バングルの記録が王室の研究所に残っていて、魅了については無罪を明らかに出来る。
そして僕は教室外ではレオと一緒にいた為レオ付きの兵士や、資料室でのことはダリフ付きの兵士からも証言が取れる。
兵士たちは王家に忠誠を誓っていて嘘をつくことは出来ないから大丈夫なんだって。
「それで、無事断罪が終わった後はパーティーを再開する予定だ。」
「なるほど...
それでそのあとルカ様とレオは婚約するってことかぁ。
スッキリ!めでたしめでたしだな~!!
俺も結婚式に呼んでくれよ?」
完璧な計画を聞いて嬉しくてフワフワな気持ちになった僕がそう言うと2人がシーンとなった。
え、何かまずいことで...
あ!!!
2人はまだ気持ちを伝え合っていないのか!!!
やってしまったぁ.........
段々血の気が引いていくのが分かる。
ゆっくりと顔を上げて2人を見ると、固まっていた。
ごめんルカ、
プロポーズの準備をしていただろうに。。。
そう心の中で土下座していると、
ルカの頬がピクピクと上に上がって笑い出した。
レオは“はぁ...”と大きなため息を吐いている。
「ぷッッ!はははは!!!
ユキル、お前知らないのか?」
ん?何を???
急に空気が緩んで戸惑っていると、
レオにちょいちょいと“耳を貸せ”のジェスチャーをされた。
「え?どういうこと?」
「だーかーらー。
僕もルカもタチなんだよ?
結婚なんてするわけないじゃん」
は??????
主人公のレオがタチだって!?!?!?
「そんな訳ッッ!?
じゃあダリフ...様が???」
あの男前な顔のダリフがネコ....?
若干ショックを受けながら尋ねると、これまたルカが大笑いし始め、レオの口角も見たことないほど上がっている。
「いや、あの人もタチだよ。
元々性的趣向が合わないから婚約破棄したかったんだ。
まぁかといって“断罪”という僕が汚名を被る形での破棄はしたくはないけどね~。」
もしかして、レオに関して何か勘違いしているのかも知れない。
頭が真っ白になっていると追い打ちをかけるようにレオが僕の太ももを撫でた。
「それで、ユキはネコでしょ?
ここにいたら食べられちゃうよ?」
「ヘ....!?!?」
目の前にいる、見たこともない“オス”のレオに恐怖を覚えて身体が勝手に椅子から立ち上がった。
鼓動がドクドクと速くなる。
逃げなきゃと本能が叫び、僕は出口に向かって走り出した。
「転けないようにね~」
後ろからそんな声が聞こえたが無視して、王族に挨拶もしないまま僕は走って寮に向かった。
い、一体何が起きてるんだ!?!?!?
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