今流行りの悪役令息が真のヒロインなゲームに尻軽ヒロイン(偽)として転生してしまった

わさび

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始まりは突然に(レオside)

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何の変哲もない昼休み、
突如テリトリーに入ってきた彼によってそんな穏やかな時間は終わりを告げた。



とりあえず、
情報の整理も兼ねて一つずつ本人に聞くしかない。



「まず、どうして僕には魅了が効かないって知ってるの?」



ユキルは主人公だ。


彼がこのようにフラットにレオのところに来るシナリオはアニメには無かった気がして、皇室の影もいる事だし流れに任されてみたが一体この状況を誰が予想できようか????



魅了のこと、僕に言っちゃっていいの??


皇室の一員となる為に訓練を受けているから魅了は効かないけどどうして知っているんだろう?
そういうものなのか?



「え?う、う~ん。なんとなく??」



歯切れが悪いな。

戸惑って目がキョロキョロしているユキの様子が可愛くてガン見してしまう。

アニメの世界だと気付いてから一番警戒してきた存在なのに、なんでこんなに可愛いと思ってしまうんだろう?



「じゃあ、ユキは『ハーレムを作ったり人の婚約者を奪ったり』するような予定があるのかな?」



内容が随分具体的だったからね。

魅了の力を悪用、という点では他にも『先生を魅了して成績を上げる』とか『生徒を奴隷のようにこき使う』とか、色々あるのに。



「ないよ!!ないけど、万が一の為。。。
 魅了の力を無意識に使っていたら怖いんだ。」


そんなの主人公特性なんだから遠慮なく使っとけばいいのに。

使われたら困るんだけど、断罪に対する準備は進めているから自身の心配より彼の不思議な行動を心配してしまう。



「なるほど。
 最後に、ユキの第一人称、本当は“僕”なんでしょ?
 別にそのままでいいのにどうして“俺”って言ってるの?」



これは何度も僕、、、って言いかけていたから気づいた。
それにの第一人称は僕だった筈。


「え~...なんか、“僕”ってか弱そうなイメ、、、
 あ!違う!!別にレオのことを言ったんじゃないから!!!
 ただ、僕のこの見た目に“僕“だとかわい子ぶりすぎだなって思っただけ!!」



僕の第一人称を思い出して慌て始めたのが面白くてつい笑ってしまった。



「分かった、分かったって笑
 じゃあ、クラスは違うけど具体的にはどう監視すればいいのかな?」


これはBLアニメには無かった展開だ。

用心しないと、これまで準備してきたものが水の泡になって悪役令息になる可能性だってある。


「普通に友達として仲良くしてほしいだけ。
 それで、普段とは違う事をしたり理性を失って明らかにやばかったら殴るなり監禁するなりして止めて欲しい。」



理性を失うって獣じゃあるまいし。。。と笑いそうになったがユキの顔を見て真剣な話なんだと悟った。



「いいよ、分かった。
 ユキ、次は食事に専念しよう。
 もうすぐ昼休みが終わる。」


驚きの連続な話に夢中で食事の方が疎かになってしまった。

冷め切ったスープを飲みきってまだ食事中のユキの髪の毛を触ってみる。


「髪型、似合ってる」



フワフワ綿飴のような髪型だったアニメのユキルよりこっちの方が何倍も好感が持てるなあ。



「へへ、そう?ありがとう」





あぁ、ちょっと照れながらパンにかぶりついた君を見て確信したよ。



本当のはそんな表情をしない。





ユキも転生者なんだね。




でも君は、何を恐れているの???





___________________

こんがらがりやすくてすみません。


BLアニメ<BLゲーム<この世界です。


ユキルが主人公のBLアニメの世界に入り込んだと思っているレオ。

アニメの世界だと思って奮闘するレオが主人公のゲームに入り込んだと思っているユキル。


舞台は一緒(学園)なんですけど、それぞれの生きていると思い込んでいるストーリーは違うって感じです。


“思い込んでいる”っていうのは、ユキルやレオの世界観のすれ違いも全部ひっくるめてこの一つのストーリーになっているからです。(む、難しい........)





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