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ランチタイム!!

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中庭のピクニックスペースに腰を下ろしてランチを広げた。


ランチと言っても僕は購買で買ったパン、レオは容器に入った具沢山のスープだけ。


確か食堂で頼めばテイクアウトの入れ物に入れてくれるんだっけ?



スープ美味しそうだな~!



「隣のクラスのアリアルディ=ユキルです。
昨日転入してきたんだ」



「僕はテイラー=レオ。
 君は侯爵家に養子に入ったんだっけ?」



「そうだよ。
 あのさ、レオって呼んで良い?
 あと、堅苦しいから敬語じゃなくても??」


学園は平等を謳っているとはいえ実際は貴族社会を縮小したようなところだ。

でも僕は25年も日本で暮らしてきた。

レオ様~とか言い慣れない。。。

ゲーム内のユキルも敬語が使えないザ・平民上がりだったから一緒のことをするのは避けたいけど、ここは許して欲しい。。。

でもユキルと違ってちゃんと許可は取るから!!



「別に良いよ。
 じゃあ僕もって呼ぶね。
 あ、いや、ユキの方が呼びやすいな。」



「ユキって呼んでくれた方が嬉しい!」




雪、と呼ばれて思わず身を乗り出してしまった。

前世と同じ名前で呼ばれるほど嬉しいことはない。。。


是非!是非!と押したら若干引き気味で頷かれた。



パンを一口齧って少し落ち着かせる。
レオも洗練されたスプーン捌きでスープを飲んでいる。



うーん、この沈黙は辛い。


何か喋らないと、、、




「なんでぼ...俺と友達になってくれたの?
 レオは『孤高の花』って呼ばれてるって聞いてたんだけど...」




「孤高の花、、、
 一人でいるのは事情があるんだけど、君は転入生だから良いかなって、なんとなく。」




「そっか~」



「逆にどうしてユキは僕に話しかけたの?」




「ん。。。?
 あ、そうだった!!!
 レオに頼み事があるんだ。」




危ない危ない



レオに話を振られるまですっかり本来の目的を忘れてしまっていた。


異世界にきて初めてまともに会話してるから楽しくてつい。。。



「内緒にして欲しいんだけど、
 僕、魅了使いなの。
 レオは魅了が効かないから
 僕が魅了を使ってハーレムを作ったり人の婚約者を奪ったりしないよう監視して欲しいんだ。」



言い切った!!
言い切ったぞ!!!偉い!!



さあ、レオの反応は、、、?

と伺うとちょっとポカーンとしていた。




せっかくの美形が勿体無いよ???





おーい、レオ~??





ブンブン目の前で手を振ったら
宇宙に飛んでいたらしい意識は戻ってきたみたいで、間抜けに開いていた口もキュッとしまった。




「えっと、どこから突っ込めば良いのかな」




ですよね~



流石に情報量多かったですよね~



という訳で、僕は一旦パンを置いてレオの話を聞くのに徹することにした。
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