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始まり
しおりを挟む魅了を使わず、
王子達とも関わらなければそれで終わり。
そうだったら嬉しいが、
強制力が働いてしまったらおしまいだ。
僕は強制力が働いたとしても安心して暮らせるよう作戦を練らなければならない。
「とりあえず魔法をどうにかしなきゃ」
魔法は制御できるけれど、
無意識に使ってしまっていたら
断罪への道にまた一歩進んじゃうからね。
「ユキル様、到着しましたよ。」
ガタッと大きな振動が来て馬車が止まったことを告げた。
あぁ、とうとう着いてしまったみたいだ。
「ありがとうございました」
馬車から降りるときに手を貸してくれた御者にペコっと頭を下げお礼を言ってから歩き出す。
重い荷物達は後で寮まで届けてくれるらしい。
平民の暮らしでは力仕事も多かったけれど、体質なのかあまり筋肉はつかず非力のままだったから結構助かるなぁ。
門をくぐると先生と思われる男の人が待っていた。
僕は途中入学。
お決まりの、転校生ってやつだよ...
はぁ...
「初めまして。君はアリアルディ=ユキルかな?」
これが僕の正式名称。
平民には普通ファミリーネームはないんだけど、学園に通うために侯爵家に養子に入ったから付いたんだ。
お洒落でとても気に入ってるけど、まだそう呼ばれるのには慣れないなぁ。
元々日本人だったし、
苗字長いなぁってね。
「アリアルディ=ユキルです。よろしくお願いします。」
身分証明書を、門番に見せてからずっと手に持っていたからそれを先生にも見せる。
「よろしい。
私は事務員のミラー=ウィルです。
今日は寮を見学した後クラスのホームルームに顔を出して終わりなのであまり緊張しなくていいですよ」
「はい。」
確かクラスは第一王子と同じなんだよな。
ゲームでは、
レオ視点で進んでいったから
ユキルと第一王子の出会いが詳しく書かれていなかったのが辛い。
とにかく落ち着きたい!!
選択肢を間違えないためにも!!
もうちょい考える時間を!!
「では寮へ行きますよ」
あ、待って!!!
僕の動揺を知らない先生は容赦なくスタスタと歩いて行ってしまう。
さっき転生してきたばかりで作戦も立ててないのに展開早すぎるって~泣
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