日本の時代劇を愛するラビ村が韓国時代劇にハマった理由~情感たっぷりorノリの良いスピード展開か?

めぐみ

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ムラサキカタバミ~片隅の小さな貴婦人に寄せて

日本の時代劇を愛するラビ村が韓国時代劇にハマった理由~情感たっぷりorノリの良いスピード展開か?

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 梅雨時の空は、どうしても重苦しさが漂うのは致し方ない。合間には真夏かと疑いたくなるような暑熱の一日となることもあるが、大方は薄曇りか、しとしと雨が降り続く日が多いものだ。
 梅雨の季節の一番の楽しみは何と言っても、紫陽花だろう。灰色に沈み込んだ風景の中で、一際鮮やかな色彩を見れば、心が浮き立つようだ。けれども、ここ最近、私が注目しているのは夏の代表的な主役ではない。脇役という言葉がふさわしいかどうかは判らないが、野花、野草と言い換えられるだろう。
 ムラサキカタバミ。最初は鑑賞用であったらしいものの、現在はあまりに旺盛な繁茂力のために駆除対象とまで見なされている。最初にこの花を見つけたのは去年の夏であった。撮影した写真をヤフー知恵袋にアップして、名前を質問してみたところ、すぐに二人の博識者が回答をくれた。
 名前が判ると、次は花言葉を調べる。「心の輝き、母の愛情」がムラサキカタバミの花言葉だという。何とも心惹かれる言葉ではないか! ライフワークで書いている小説作品にはモチーフ(小道具)として、花と花言葉を使うことも多い。ムラサキカタバミは初めてだから、これは使えると意気込んだ。
 去年の秋口からムラサキカタバミを使った新作を書き始め、十ヶ月後の今もまだ鋭意執筆中である。そんな経緯があってか、今年の初夏、庭で彼の花を見つけたときは、躍り上がった。まるで待ちわびた友人に再会したように心が弾んだ。
 今年、私が初めてムラサキカタバミを見つけたのは玄関前、次が数日前、トイレの窓横であった。トイレの窓横側はしょっちゅう通るので、必然的に花を見る機会は多い。
 ある日、この花の押し花を作ってみたいという想いが強く、思わず手を伸ばしかけた。だが、触れる寸前、思いとどまった。


 私はお世辞にも器用ではない。ましてや押し花を作り慣れているわけではない。勢い込んで作ったとしても、失敗するのは目に見えている。このまま摘まなければ花は生命をまっとうできるが、もし摘んでしまえば寿命は終わる。
ー花は摘まなければ、このまま生きていられるけど、摘めば死んでしまうわ。
 かなり前に書いた自作小説では、ヒロインが桜草を摘もうとする恋人を諫めるシーンがあった。作品内でもっともらしいことを言いながら、実行動が伴わないというのは非常に決まりが悪いというか、恥ずかしいことだ。
 断念した数日後、洗濯物を干しに庭に出て、ハッとした。あのムラサキカタバミが色鮮やかなピンクの花を数輪つけている。随分と寿命の長い花だと思いつつ、あのときに摘まないで良かったとつくづく思った。心なしか、花の色が前より濃くなったようだ。梅雨の狭間の柔らかな陽差しの中、可愛らしい花は小さな貴婦人のように誇らしげに咲いていた。
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