日本の時代劇を愛するラビ村が韓国時代劇にハマった理由~情感たっぷりorノリの良いスピード展開か?

めぐみ

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小説「潮騒鳴り止まず~久遠の帝~」完結時、あとがき、、のようなもの

日本の時代劇を愛するラビ村が韓国時代劇にハマった理由~情感たっぷりorノリの良いスピード展開か?

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あとがき

 こんにちは。今年は秋の深まりが早く、今日などは毛糸を着込むことになりました。まだ漸く九月の下旬に入ったばかりですから、これは少し異常気象ですね。
 さて、今月は何と〝鎌倉物〟です。鎌倉時代を描いた作品は私の数ある作品の中でもけして多くはありません。しかし、私の原点となり、今の私を作ってくれたのは実はこの鎌倉時代なのです。
 私が小説らしきものを書き始めたの小学校六年のときです。友達と交換日記みたいなものに小説を書いて読み合っていました。もちろん、当時は小説などと呼べる代物ではなく、あくまでも物語、お話のようなのだったと思います。
 そして中学に入り、大河ドラマ〝草燃える〟と出逢いました。これが、私が歴史に興味を持つ直接の原因となったのです。幼稚園の頃から大河ドラマ〝平将門〟を見ていた私にとって、大河ドラマは身近なものでした。
 しかし、この中一で出逢った〝草燃える〟は特別なものとなりました。まず興味をかきたてて止まなかったのが頼朝の娘大姫と木曽義高の悲恋物語です。幼いながらも父頼朝に殺された義高を一途に恋い慕い続け、十九歳の若さで亡くなった大姫。彼女の存在は衝撃的であり、ロマンチックでもありました。
 この大姫を頼朝が後鳥羽天皇の許に入内させようとしていたのは事実ですが、私はそのことにも興味を持ちました。そのことは私の今回の作品でも少し触れましたが、結局、大姫亡き後、その代わりに入内させようとしていた次女も十三歳で亡くなります。
 なので、頼朝には三女がいたという設定で、この末娘が後鳥羽天皇に入内したというお話を書いたのが初めて書いた歴史小説でした。この物語は書き出したのは良いものの、やはり十二歳には難しすぎたのか、完成はしていません。
 しかし、後に二十代半ばで〝残像〟というタイトルで、後鳥羽天皇とその女御季子の宿命的な出逢いと愛憎を描いた作品として描き、初めて完結させました。もちろんここでも、最初と設定は同じで、頼朝の娘、三女という設定です。
 ところで、大河ドラマでは頼朝を様々な人が演じましたね。私が知るだけでも、〝草燃える〟では石坂浩二さん、後、タッキーが主演だった〝義経〟では中井喜一さん、近いところでは〝平清盛〟でも若手の俳優さんが頼朝を演じました。あとタイトルは忘れましたが、確か長塚京三さんも大河で頼朝を演じられたことがあるのではないでしょうか。
 ですが、私の中での頼朝といえば、やはり石坂浩二さんです。十二歳の私は、今に伝わる頼朝の肖像画に石坂さん演じる頼朝がそっくりに見えたものです。生まれて初めて見るドラマの中の頼朝だったからか、それとも石坂さんの存在感ゆえかは判りません。
 また、中井喜一さんも流石にベテランらしい重厚さをよく表現していたと思います。〝清盛〟の頼朝はもう少し重みが欲しいかなと思いました。長塚さんは、頼朝という冷徹な猜疑心のなかなか強いクールな面をよく出されていて、こちらも流石に演技派だなと思ったことを憶えています。
 後は、この作品にも登場する〝さつき〟。この名は確か〝草燃える〟に出てきたその他大勢の政子役の岩下志麻さんに仕える侍女の名前でした。そういえば、今、これを書きながら〝ちぐさ〟という名前の侍女もいたことを思い出しました。千種と書くのか、千草と書くのかは記憶は定かではありませんが―。
 以来、鎌倉時代が舞台のときには、よく千草とさつきが登場します―笑。
 今回、鎌倉時代を描くのは実に二十余年ぶりです。なので、凄い不安がありました。しかも、今までとまったく違う題材や設定です。二十年前は中一のときに考えた設定をほぼそのまま使い話を展開していったので、そういう意味では一から考える必要はありませんでした。
 今回の話は間違いなく平家の落人伝説を採用したものであり、今もなお全国各地に伝わる安徳天皇が実は生き延びていたという傍説ともいえない伝承を元にしたものです。
 壇ノ浦で死んだはずの幼い天皇が実は生きていて、頼朝は事故ではなく暗殺、しかも復讐を企てた安徳天皇に殺されたのだ。ストーリーとしては興味深いですが、一つ間違えば荒唐無稽になる恐れがありましたし、また、既になっているかもしれません―汗。
 とはいえ、私は今回は是非、これを描いてみたかった。私の今の力量では、これが精一杯で、できるだけ不自然にならないように努力したつもりですが、まあ、そのようなところは多々あるかと思いますが、お見苦しい点はご容赦いただけると助かります。
 あとは、この作品はとある事情で原稿用紙二百枚以上という制約がありました。これも難しかった。無理をして話を引き延ばすことはできますが、それをやると作品そのものが冗漫になり、ますます拙作になります。なので、二百枚以上という規定は頭の端っこにとどめるだけにして、もし枚数に届かなければ、それはそれで良い、自然の流れというか、なりゆきに任せようと思いながら書き進めていきました。
 それで、ラストまで書いてきたら、ありがたいことに丁度二百枚で収まりました。これは嬉しかったです。自分では特に無理に引き延ばして二百枚にしたという意識はないので、その点は大丈夫かとは思うのですが。
 いつもにもまして、あとがきが長くて、くどいですね―笑。そういうわけで、鎌倉時代には大変思い入れがありまして、つい長々と熱く語ってしまいました。
 どうぞ、つまらないあとがきなんて、もう要らないと思われる方は飛ばしてご覧下さい。
 来月は引き続き、鎌倉シリーズ第二弾を描くつもりです。こちらも私が是非、一度取り上げてみたかった人物です。ラストまで心を込めて描きますので、よろしくお願いします。
 終わりに。この作品内では実在と架空の人物が混在しています。また、すべてが歴史的事実どおりに描かれているわけではありませんことを付記させていただきます。
 それでは、今回もありがとうございました。
                            東 めぐみ拝
 虫の音に耳を傾けながら深まりゆく秋の宵に

二〇一四年九月二十日 
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