伝説の魔導師の代わりに俺が召喚されたせいで性奴隷の淫紋を刻まれました。

クズ惚れつ

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今にも倒れそうにふらつきながらも、集中を途切らせないようにしているのがわかる。どうしよう、長引いたらまずいことになりそうだ。とは言っても、俺はまだ魔術を操ることができないみたいだ。バレるとかバレないとかもう言ってらんないだろこれ。今すぐ俺に魔術を送り込むのをやめて、イサゴが直接倒すべきだろ、これは。

俺はか細い声で呼びかけた。

「ぃ、イサゴ……。」
「……集中しろ。」

イサゴはそう言うだけだった。どうやらこれをやめる気はないらしい。どうしよう、どうしよう。俺は焦る、焦る。動け、動けよ。当たれ、あいつに。動け、ぶつかれ。

「おいおい、防戦一方かあ?伝説の魔導師さんよぉ!!」

竜巻きと桜吹雪はどんどんと大きくなるのに、それを自在に動かすことができない。いや、自在にじゃなくていい。今はただ、目の前のあいつにぶつかってくれればそれでいい。イサゴが倒れる前に。頼む、動け、動け。

俺の願いが届いたかのように、縛られていた拘束が一気に弾け飛んだように、とてつもない勢いで竜巻きが前に動いた。あまりにも大きい竜巻で、トルンが縦横無尽に飛び回る範囲全てを飲み込んだ。

「うわあああああっ!?!?」

トルンは叫び声をあげながら竜巻に巻き込まれていった。強い桜吹雪が体に直撃したようで身動きが取れなくなっていた。

その瞬間、俺の左手に激痛が走った。

「いでっ!いててててて!!!!」

俺が左手を抑えて倒れこむと同時に、桜吹雪もシュゥウと静まった。その中から倒れて気絶しているトルンが現れた。しかしトルンのことはどうでもよかった。

「イサゴっ!!」

俺は立膝をついてうなだれるイサゴに駆け寄り、肩に手をおいた。

「イサゴ、だいじょうb……いてててててて!!!!」

再び左手に激痛が与えられる。

「おい!なんでだよ!!」
「はぁ…はぁ……、この出来損ないが。私を殺す気か。」
「続行させたのお前だろ!最初っからお前が相手しとけば良かったのに!」
「いいか、いずれ魔王と戦うんだぞ。それまで魔術の制御を習得しなければならないんだ。私も、貴様も。」
「それは……。」
「できないからと言って私がやるのならば、貴様などいらん。村に置いていく。」
「そりゃ、そうだけど……。」
「早く習得しろ。伝説の魔導師らしく振舞ってみろ。俺が必ず倒すと、そう言ってみせろ。」
「……。」

イサゴの鋭く銀色に光る眼光に見つめられると何も言えなくなってしまう。イサゴははあ、とため息をついて立ち上がった。

「とりあえずこいつを拘束する。」

イサゴの砂塵が紐状にシュルシュルとトルンに近づき、巻きついた。トルンは意識が戻っても身動きが取れないように拘束された。
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