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「それがお前を襲ったことを忘れたのか?」
「助けてくれなかったお前も俺にとっては同じだっつーの!!」
「結果的には助けただろ。」
「それは自分に危害が加わりそうだったからだろ!俺が死んだらどうすんだよ!」
「死なない。そいつは人間の雄の精液を栄養として生きる生物だ。殺さずに拘束し、媚薬を注入して精液を出させ続ける。」
「なんだよその同人誌みてえなご都合生物はよ!!ていうか知ってんならなおさら早く助けろよ!」
「……わかったから、そいつは放っておく。面白いものが見れたから私は満足だ、行くぞ。」
イサゴは俺のリュックサックをこちらに投げて歩き出した。俺は慌ててリュックを背負い、未だ絶頂の名残で震える体を必死に起こして歩き出した。しかし、足腰が立たずふらっと倒れそうになったのを何かが支えた。
ふと下を見ると先ほどの触手だった。
「きゅ~……。」
「お前、支えてくれたのか?」
さっきまでグロいとしか思えなかった無数の触手たち。今は俺の身長の半分以下にまで縮こまって本当に小動物のようだった。イサゴに切られた触手はさっきよりちょっとだけ伸びていた。そんなカナチョロみたいな制度なのか……。
よく考えたらこいつは食べ物にありつこうとしただけだし、悪気はないはずだ。触手はしゅるしゅると俺の体に纏わりついてきた。先ほどのように拘束するわけではなく、じゃれついてきているみたいだ。
「……お前も一緒に来るか?」
とんでもないことを言っているのはわかってる。しかし、こいつが味方になれば戦力にもなるはずだ、そんな言い訳を一瞬で構築した。触手は再びきゅ~と鳴き、一本の先端がわずかに俺の唇にちょんと触れた。
「ははっ、わかったよ。」
可愛く見えてしまったのだから、こればっかりはしょうがない。下宿のマンションはペット不可で育てていたのはサボテンだけだった(まあ、枯らしたが)。異世界でくらい、ペットがいてもいいんじゃねえか。
俺はそう思い立ち、触手に支えられながら小走りでイサゴに追いついた。
「おい、サク。ここからは、」
俺に話しかけて振り返ったイサゴが触手を見つけて口を止めた。
「何してるんだ貴様。」
「いやぁ、こいつがついて来たいって言うから。」
イサゴは少々あきれた表情を見せた。しかし。
「……勝手にしろ、私の知ったことじゃない。自己責任だ。」
「やった、よかったなお前。」
「きゅぅ!」
「しかしいいのか?」
「へ、何が?」
「そいつの食事は『精液』だと言ったはずだが?」
「……あ。」
待ってくれ。するって言うと、俺は定期的にこいつに精液を与えなければならないと言うことか?
「きゅう!」
「まじか……。」
「自己責任だからな、拾ったからには捨てるなよ。」
「っう……。」
「栄養を補給し力をつけた触手を野放しにすれば無差別に人を傷つけるかもしれない。死ぬまでちゃんと面倒みろよ?」
「そんなぁ……。」
「きゅう♡」
触手は俺に頬ずりして来る。まあ、可愛いし、頑張って育てるか……。
「そうだ、餌補給の時は私を呼べ。」
「え、なんか手伝ってくれるのか?」
「お前が無様に搾精される姿を嘲笑ってやる。」
「それが目的かああ!!!」
それで触手を連れて行くことを許したのかよこいつ!!まあいい。最終的には俺がポケモントレーナーならぬ触手トレーナーとなってイサゴに下克上を果たす!!
「助けてくれなかったお前も俺にとっては同じだっつーの!!」
「結果的には助けただろ。」
「それは自分に危害が加わりそうだったからだろ!俺が死んだらどうすんだよ!」
「死なない。そいつは人間の雄の精液を栄養として生きる生物だ。殺さずに拘束し、媚薬を注入して精液を出させ続ける。」
「なんだよその同人誌みてえなご都合生物はよ!!ていうか知ってんならなおさら早く助けろよ!」
「……わかったから、そいつは放っておく。面白いものが見れたから私は満足だ、行くぞ。」
イサゴは俺のリュックサックをこちらに投げて歩き出した。俺は慌ててリュックを背負い、未だ絶頂の名残で震える体を必死に起こして歩き出した。しかし、足腰が立たずふらっと倒れそうになったのを何かが支えた。
ふと下を見ると先ほどの触手だった。
「きゅ~……。」
「お前、支えてくれたのか?」
さっきまでグロいとしか思えなかった無数の触手たち。今は俺の身長の半分以下にまで縮こまって本当に小動物のようだった。イサゴに切られた触手はさっきよりちょっとだけ伸びていた。そんなカナチョロみたいな制度なのか……。
よく考えたらこいつは食べ物にありつこうとしただけだし、悪気はないはずだ。触手はしゅるしゅると俺の体に纏わりついてきた。先ほどのように拘束するわけではなく、じゃれついてきているみたいだ。
「……お前も一緒に来るか?」
とんでもないことを言っているのはわかってる。しかし、こいつが味方になれば戦力にもなるはずだ、そんな言い訳を一瞬で構築した。触手は再びきゅ~と鳴き、一本の先端がわずかに俺の唇にちょんと触れた。
「ははっ、わかったよ。」
可愛く見えてしまったのだから、こればっかりはしょうがない。下宿のマンションはペット不可で育てていたのはサボテンだけだった(まあ、枯らしたが)。異世界でくらい、ペットがいてもいいんじゃねえか。
俺はそう思い立ち、触手に支えられながら小走りでイサゴに追いついた。
「おい、サク。ここからは、」
俺に話しかけて振り返ったイサゴが触手を見つけて口を止めた。
「何してるんだ貴様。」
「いやぁ、こいつがついて来たいって言うから。」
イサゴは少々あきれた表情を見せた。しかし。
「……勝手にしろ、私の知ったことじゃない。自己責任だ。」
「やった、よかったなお前。」
「きゅぅ!」
「しかしいいのか?」
「へ、何が?」
「そいつの食事は『精液』だと言ったはずだが?」
「……あ。」
待ってくれ。するって言うと、俺は定期的にこいつに精液を与えなければならないと言うことか?
「きゅう!」
「まじか……。」
「自己責任だからな、拾ったからには捨てるなよ。」
「っう……。」
「栄養を補給し力をつけた触手を野放しにすれば無差別に人を傷つけるかもしれない。死ぬまでちゃんと面倒みろよ?」
「そんなぁ……。」
「きゅう♡」
触手は俺に頬ずりして来る。まあ、可愛いし、頑張って育てるか……。
「そうだ、餌補給の時は私を呼べ。」
「え、なんか手伝ってくれるのか?」
「お前が無様に搾精される姿を嘲笑ってやる。」
「それが目的かああ!!!」
それで触手を連れて行くことを許したのかよこいつ!!まあいい。最終的には俺がポケモントレーナーならぬ触手トレーナーとなってイサゴに下克上を果たす!!
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