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「その宝石というのはどこにあるんです?」
「急くでない、続きに書いておる。」
『1つ目はトパーズ、村に最も近い森林の奥深くに封印される。
2つ目はルビー、地下迷宮に封印される。
3つ目はサファイア、海底神殿に封印される。
4つ目はアメジスト、魔王の城下町に封印される。
5つ目はブラックダイヤモンド、魔王城に封印される。』
書籍にはそう書かれているらしい。ちょっと見させてもらったが人生で未だかつて見たことのない言語だった。イサゴの様子を見ると理解していそうか顔をしたが、実際はどうかわからない。
「と、言うわけでこの通り行けば必ず魔王を倒せる安心プランってわけじゃ。」
「そんなツアーじゃないんだから……。」
「森林なら比較的近い。一度お試しで行ってから、一度また村に帰ってこればいい。」
「今度はお試しコースかよ……。」
軽いノリで言う村長。しかしイサゴも俺も行って見ないことにはその難易度がわからない。その近いと言う森林なら、小手調べには最適かもしれない。イサゴも同じことを思ったのだろう。
「わかりました。では明日、早速森林の方に向かうとしましょう。」
村長も満足そうにうなづいた。
「本物は渡せませんが、現代語訳付きのレプリカならば差し上げましょう。」
村長はそう言って、イサゴに本を渡し席を立った。
「では明日に備え、今日は早く寝るといい。」
村長は部屋を出て行った。突然決まった旅に困惑する俺、イサゴは意にも解さないように先ほど貰った本をペラペラとめくった。俺は再びベッドに潜り込んだ。rpgの冒険みたいでワクワクする気持ちと、命の危険に晒される不安が一挙に押し寄せる。何はともあれ今大事なのはぐっすり眠ることだろう。途中で眠くなったなんて言ったら洒落にならない。そんなことを思いながら俺は深い眠りについた。
起きたのは朝6時、絶起常習犯の限界大学生には辛い時間だ。スマホも元の世界に置いてきてしまったようだ、目覚まし時計なんてものはこの世界にはなかった。寝ぼけた頭の中、イサゴに指示されるがまま、準備を進めていた。
「失礼いたします。朝食をお持ちしました。」
クラシカルなメイド服を着たメイドが銀のお盆を二つ運んできて、それぞれの机に置いた。フランスパンのトーストとカリカリのベーコン、ぷるぷるの目玉焼き、キャベツらしき野菜のサラダ。うまそおおおお!!じゅるり、とよだれが垂れそうになった。昨日の朝から何も食べていない。俺の脳は覚醒し、勢いよくばくばくと頂いた。
「行くぞ。」
イサゴが俺に声をかける。
「準備……はできたけど。なあ、防具とか武器とか買わなくていいのかよ?一応敵とかいるんだろ?」
「防具?武器?私は魔導師だ、そんなものは術一つでいくらでもどんなものでも作ることができる。」
「はー、なるほどなぁ。」
「もちろんお前も魔導師の端くれだと言うことを自覚しろ。」
「魔導師代行かーー。」
「なんだそれは。」
「死神代行ってのがいるんだよ。」
「そんなもの代行するなんてイかれた奴だな。」
日本の少年少女が聞いたらブチギレそうだな……。
「急くでない、続きに書いておる。」
『1つ目はトパーズ、村に最も近い森林の奥深くに封印される。
2つ目はルビー、地下迷宮に封印される。
3つ目はサファイア、海底神殿に封印される。
4つ目はアメジスト、魔王の城下町に封印される。
5つ目はブラックダイヤモンド、魔王城に封印される。』
書籍にはそう書かれているらしい。ちょっと見させてもらったが人生で未だかつて見たことのない言語だった。イサゴの様子を見ると理解していそうか顔をしたが、実際はどうかわからない。
「と、言うわけでこの通り行けば必ず魔王を倒せる安心プランってわけじゃ。」
「そんなツアーじゃないんだから……。」
「森林なら比較的近い。一度お試しで行ってから、一度また村に帰ってこればいい。」
「今度はお試しコースかよ……。」
軽いノリで言う村長。しかしイサゴも俺も行って見ないことにはその難易度がわからない。その近いと言う森林なら、小手調べには最適かもしれない。イサゴも同じことを思ったのだろう。
「わかりました。では明日、早速森林の方に向かうとしましょう。」
村長も満足そうにうなづいた。
「本物は渡せませんが、現代語訳付きのレプリカならば差し上げましょう。」
村長はそう言って、イサゴに本を渡し席を立った。
「では明日に備え、今日は早く寝るといい。」
村長は部屋を出て行った。突然決まった旅に困惑する俺、イサゴは意にも解さないように先ほど貰った本をペラペラとめくった。俺は再びベッドに潜り込んだ。rpgの冒険みたいでワクワクする気持ちと、命の危険に晒される不安が一挙に押し寄せる。何はともあれ今大事なのはぐっすり眠ることだろう。途中で眠くなったなんて言ったら洒落にならない。そんなことを思いながら俺は深い眠りについた。
起きたのは朝6時、絶起常習犯の限界大学生には辛い時間だ。スマホも元の世界に置いてきてしまったようだ、目覚まし時計なんてものはこの世界にはなかった。寝ぼけた頭の中、イサゴに指示されるがまま、準備を進めていた。
「失礼いたします。朝食をお持ちしました。」
クラシカルなメイド服を着たメイドが銀のお盆を二つ運んできて、それぞれの机に置いた。フランスパンのトーストとカリカリのベーコン、ぷるぷるの目玉焼き、キャベツらしき野菜のサラダ。うまそおおおお!!じゅるり、とよだれが垂れそうになった。昨日の朝から何も食べていない。俺の脳は覚醒し、勢いよくばくばくと頂いた。
「行くぞ。」
イサゴが俺に声をかける。
「準備……はできたけど。なあ、防具とか武器とか買わなくていいのかよ?一応敵とかいるんだろ?」
「防具?武器?私は魔導師だ、そんなものは術一つでいくらでもどんなものでも作ることができる。」
「はー、なるほどなぁ。」
「もちろんお前も魔導師の端くれだと言うことを自覚しろ。」
「魔導師代行かーー。」
「なんだそれは。」
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「そんなもの代行するなんてイかれた奴だな。」
日本の少年少女が聞いたらブチギレそうだな……。
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